「5月に熱田神宮へお参りに行きましょう」、4月にそう私をお誘いくださった先輩と、31日にようやく、共に鳥居をくぐりました。

 

しとしとと、静かな雨が降る参道は、6月5日に開催される熱田まつりの準備で、いつもとは少し違った趣きでした。

 

 

 

 

先輩とふたり、こころの小径をゆっくり歩いているうちに、雨は上がり、地面からふわふわと湯気がたちのぼる、幻想的な風景を見ることができました。

 

 

昼食やお茶をご一緒した後、駅に向かう先輩へ手を振って、さて、私も帰らなければ、と思ったのに、足はまた、鳥居へと向かい、参道を歩いていました。

 

 

 

 

珍しく人気のない参道を、ゆっくり歩きました。

 

 

境内のあちこちにあるお社は、神様を愛し敬う人の心の現れ、豊かに広がる杜は、生きるものを愛し慈しむ神様のお心の現れ、そう感じて、深呼吸しました。

 

 

 

 

きらきらと、木洩れ陽が、降り注いできました。

 

 

 

 

なんと愛おしい今、この瞬間だろう、と、思いました。

 

 

家で用事があったのに、時間を忘れ、陽射しを浴びて、立っていました。

 

慌てる気持ちも、心配する気持ちも、なにもかもが光に溶ける、「今ここ」しかない感覚を、全身で、ありがたく、受け取りました。

 

 

 

 

 

 

永遠にそこに立っていたように感じられたのに、数分しか、経っていませんでした。

 

家の用事にも、間に合いました。