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ようこそいらっしゃいました。
こちらは花とゆめで連載中のスキップビートファン達が
妄想と萌えを共有すべく
リレー小説を始めた、リレー小説専用のサイトです。
原作者出版社様とは何の関係も御座いません。

諸悪の根源、ハルカですw


素晴らしい文章のあとで大変恥ずかしいのですがお楽しみいただければ幸いです。




*****



カーテンから漏れた日の光がキョーコの顔にかかり無理矢理、夢の奥から現実へと浮上させられる。

光から逃れるように寝返りを打つと温もりにぶつかりキョーコは瞼を開いた。

「っ!!!!」

温もりの正体を捉えたキョーコは驚きのあまり大声を上げそうになり…なんとか両手で塞いで抑えた。

温もりの主はいまだ深い夢の中にいるようで人を魅了する瞳は瞼に隠されたままだった。

しかしそんな顔でもキョーコにとって数時間前の艶やかな表情を思い出すには十分で、1人赤面するとずるずるとシーツに埋もれていった。

埋もれた先には逞しい肌が現れキョーコは更に真っ赤になった。

しかし、その胸に抱かれたことを思い出すとそっと愛しげに口付けた。

「朝から情熱的だね」

シーツをぺらりとめくられキョーコは自分も目の前の温もりの主…蓮も一糸纏わぬ姿だということにようやく気が付いた。

「あ、あ、あ、あ、あ、あ」

「おはよう、キョーコ」

「はっ!!おはようございます、蓮さん」

「家にいる時は『久遠』で大丈夫だよ」

「……久遠さん」

呼び慣れない名が発せられた瞬間、蓮もキョーコもその甘い響きに体の奥底から熱くなった。

「まだ、時間はあるよね」

ちらりと時間を確認すると蓮はキョーコを食べるかのように口付けた。

「ぁっ…く、おん……」

言葉を食べられたキョーコは蓮の首に腕を回し自ら食べられに進んだ。

再びベッドに深く沈みこんだ瞬間、蓮の携帯がサイドテーブルで着信を告げるべく震えていた。

「んぁ。…久遠さん、電話に……」

「………分かった」

蓮は既視感を覚えながら携帯に手を伸ばした。

「はい」

「おお、蓮か。俺だ」

やたらと嬉しそうに声を弾ませているような気がするローリィに蓮は携帯の電源を切ろうとした。

「おい、こら。切ろうとしてるんじゃないだろうな?!」

やはりどこかにカメラが仕掛けてあるのではと思わずキョロキョロ見渡す。

その様子にキョーコも同じように周りを見渡した。

「なんでもないよ」

ふわりと微笑み髪を梳くとキョーコはポンッと音を立てシーツに包まった。

「で、朝から何の用ですか?」

キョーコに話しかける声とは全く違った、凄味ある声にローリィは更に面白そうに声を発した。

「俺の勘が最上君が『無体な』事になりそうだと告げていてな」

「………」

あながち間違いではない『勘』に蓮は言葉が出ない。

「まぁ、それよりも。台本は届いたか?」

「はい、届きました」

丁度サイドテーブルに置いてある台本を手に取るとぱらぱらとページをめくった。

「脇役でも主役の恋愛模様に絡んでくる重要な脇役だ。だから、…というわけではないが。蓮、大切なものは手に入れたか?」

その言葉に蓮はシーツから恥ずかしげに顔を覗かせるキョーコを抱き寄せキスを落とした。

「はい。彼女と共に幸せを紡ぐ覚悟が出来ました」

「そうか、良かったな。いやな、蓮。実のところ俺は最上君の愛の演技も不安だったが、お前の幸せの演技も不安だったんだ」

ローリィの明かした真実に蓮はいつぞや深い愛の演技を否定された時のように『それくらい出来ます』とは言えなかった。

「だが、今のお前なら、お前たちならやってくれる。どこで演技しようと見るもの全てを魅了することの出来る素晴らしいものを作ることが出来ると俺は信じてるぞ」

「ありがとうございます」

ローリィの愛に素直に蓮は感謝した。

携帯から声が洩れたのかキョーコも小さくお礼を言った。

「あぁ、そうだ。1つ言い忘れていたがハリウッドでの生活だが滞在期間が長いこともあってホテルではなくどこか1軒家を借りようと思っていたんだがな…」

「…思っていたのがどうなったんですか?」

蓮は嫌な予感がしたが話の先を勧めた。

「言っておくが俺は話してないぞ!!」

「だからどうしたんですか?!」

「奴らがどこからか情報を手に入れて勝手に新居をおっ建てやがったんだよ」

ローリィの言葉が耳から脳へ伝わると蓮は頭を抱えてベッドに沈み込んだ。

「~~~~あの人たちは何を考えてるんですか?!」

突然、塞ぎこんで大声を上げる蓮にキョーコは驚いてシーツを纏って部屋の隅へ逃げていった。

「あ…」

「あっちもそっちも俺のせいじゃねーぞ。それじゃ、あとはよろしく頼んだ」

「あ!社長!!」

蓮が止めるのもむなしく携帯から音は途切れた。

息を大きく吐くと蓮は部屋の隅に逃げた恋人のそばによりシーツごと抱き締めた。

「キョーコに怒ってるわけじゃないから…」

「ほ、本当ですか?」

ちょこんと顔を出すキョーコの瞼にちゅっとキスを1つ。

「うん…というか、そうだよね。うん、うん」

蓮は突然、1人で納得しだしてキョーコを抱えベッドに横たえた。

「新居か。ちょっと早いけどいいよね」

「え?え?何のことですか?!」

頭の中、疑問符だらけのキョーコに蓮は清清しく言い放った。

「一緒に幸せになろう」

するりとシーツを取り払うと蓮はキョーコの身体中にキスを降らした。




 

                                                   byハルカ


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19へ続く