リレー小説:紡ぐ想い 14 [風月・作] | happy-peach-color

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ーー敦賀さんは、いったい私をどうしたいんですかーーー!?

そう言葉にしたキョーコの顔が今にも泣き出しそうに歪む。


ーーーどうしたい…?どうしたいって聞かれたら、答えは決まってるーー。

「俺がどうしたいか…本当に知りたいの?」

蓮はそう言いながらキョーコの頬を大きな掌で包み込む。

まるで魅せられるようなその強い蓮の眼差しに、キョーコは吸い寄せられる様に見惚れる。

思考を奪われ、どう返事をしたらいいのか分からなかったキョーコの顔に、蓮の顔が徐々に近付く。

口と口が触れ合うかというギリギリの所で蓮が呟く。

「教えてあげようか?俺が君をどうしたいかーーー?」

蓮の吐息がキョーコの唇にかかり、キョーコは息が止まるほど心臓を大きく跳ねさせた。

ーーーよ、よ、夜の帝王~~~!!!!

目の前の蓮の瞳が、まるでスローモーションを見ているようにゆっくりと閉じられる。
更に近付く顔と吐息に、キョーコの心臓は激しく動きだし、キョーコは蓮から離れようとしたのだが、何時の間にかソファに押し倒された状態のキョーコに逃げることなど出来なかった。

「い、いや…いや…い…んむぅ!」

唇に感じる生暖かい感触に、キョーコの頭は真っ白になってしまった。


唇をただ触れ合わせただけなのに、甘い痺れが蓮とキョーコの全身を襲う。

小さくて柔らかい唇の感触を味わうように何度も角度を変えて啄む蓮。

キョーコの頬を捉えていた蓮の手が、キョーコの首筋を辿り、鎖骨をなぞり徐々に下へと下へと下がって行く。

今まで啄むだけで抑えていた蓮だが、キョーコの柔らかい膨らみに手を添えてキョーコの身体が一瞬強張って、叫び声を出しそうになったのと同時に、キョーコの口に舌を捻じ込んだ。

「んんんんんー!!!!」

抗議の為に必死で胸に触れる蓮の手を引き剥がそうとするキョーコの手。

今まで経験したことがない激しいキスと未知の感覚にキョーコは恐怖に襲われる。
ドンドンドンと蓮の厚い胸板を叩き抗議すると、ようやく蓮の唇が口から離れた。

ようやく解放された唇にキョーコがホッとしたのもつかの間。
蓮の唇がキョーコの首筋を滑るように吸い付き、また甘い痺れが首筋からキョーコの全身に広がる。

「俺は君をーーー」

蓮が言いかけたところで、突然テーブルに置いていた携帯が着信を伝えて震え出した。

そこで蓮はハタと我に返った。
真っ赤な顔のキョーコが涙目で蓮を見上げている。
そのキョーコの胸に添えられた己の手。
柔らかい感触が蓮の思考を奪おうとするのだが、鳴り響く電話に蓮の思考は呼び戻された。

キョーコを見つめたまま蓮がみるみるうちに赤面して行く。

そしてそのままの体制で固まってしまった蓮に、キョーコはどうしていいか分からずに、困ったように、なり続ける携帯に一度視線を送って再び蓮を見た。
チラチラと落ち着きなく繰り返されるキョーコの姿に、蓮は恐る恐るキョーコの胸から手を離し、電話に手を伸ばした。




 

                                                   by風月


15へ続く