第17話「悲しみのトンガリ かくれみので一人ぼっち」
コロ助のポンコツレベル ★★☆☆☆
1988年8月14日放送/脚本 青島利幸
※コロ助は序盤がそこそこポンコツで微笑ましかった※
出来上がった発明品をみよちゃんに見せたくて急いで家を出るキテレツ。コロ助がおやつの時間を知らせに部屋へ行くと、そこには出来たてほやほやの ”かくれみの” が。
本日の発明品 ”かくれみの”。
説明は一切ないが、ともかくこの蓑をかぶると透明人間のように周りの人からは見えなくなるという。
©藤子プロ/ADK (dアニメストア視聴)
蓑を見て、昔のキテレツ斎様と過ごした懐かしい記憶が蘇りさっそくかぶってみる。そのままおやつをもらいに1階へ降りるもママからは見えず「やだわ、いもしないコロちゃんの声が聞こえるなんて・・」と。
ダッシュボードのガラスに写ったおやつのお煎餅を見てようやく自分が透明になっていることを知るコロ助。
©藤子プロ/ADK (dアニメストア視聴)
コロ「たいへんだー!ワガハイがいなくなってしまったナリ!ワガハイがーー!!」
と軽くパニックを起こすもすぐ順応し、蓑が透明になる発明品だと悟る。
するとキッチンからいい匂いが・・クンクン。
で、透明になったことをいいことにママが作っているコロッケを揚げたそばからパクパクと平らげてしまう。
©藤子プロ/ADK (dアニメストア視聴)
ママ「さっき3つ揚げたはずなのに・・やっぱり今日は具合が悪いんだわ」
コロちゃんこの時すでにコロッケを4つ平らげているんですが。
どっちにしろママは疲れているから休んだほうがいい。
セミが鳴く中、トンガリを従え野菜の配達をしているブタゴリラ。
そこに試合の助っ人が必要だとブタゴリラを勧誘しにくる野球少年A現る。物言いたげなトンガリにゲンコツ食らわせて「あとは任せた」と、さっさと仕事を放り投げて試合に行くブタゴリラ。
もうこの時点でタイトルの ”悲しみのトンガリ” だよね。
さて一方コロ助は商店街をウロついて透明人間を楽しんでいるが、ウヒウヒ言ってる間に三輪車に乗った幼児に轢かれそうになり転がったりしている。
さっきの三輪車を避けた弾みで蓑がずり落ち、ちょんまげが丸見えになっているコロ助はカラスにロックオンされてしまい追いかけられてちょんまげを摘まれてドジを踏んでしまう。
このあたりがポンコツだね。
©藤子プロ/ADK (dアニメストア視聴)
そこへ配達を終えたトンガリが飛び出たちょんまげに気付き「なんだこれ」と鷲掴む。
すると「無礼ナリ!!!」と喚くコロ助の声が・・。
で、コロ助が空き地で ”かくれみの” の説明をすると、案の定トンガリに無理やり引っ剥がされて持ち去られてしまう。
キテレツに怒られちゃうね。
キテ「あれさえあれば産まれたばかりのヒナの観察もわけなくできるよ云々・・」
みよ「便利な機械ね〜」
そうか、そういう理由でみよちゃんのために作ってたんだね。
ちょうどキテレツたちが玄関に入るところで、コロ助がトンガリ捕獲のため虫取り網と十手を持って走り去る。
コロちゃん、どうぶつの森みたいだね。
さて、”かくれみの” を手にしたトンガリは透明になって試合中のブタゴリラをとことん邪魔することに成功。うまくいかないことを誰かの仕業だと怒り出すブタゴリラだが、みんなには頭がおかしいと思われてしまう。それを木の上からほくそ笑むトンガリ。
どうやって登ったんだよシチュエーションは幽霊だよ。
©藤子プロ/ADK (dアニメストア視聴)
お次のターゲットは真夏の公園でデート中の勉三さんとゆきさん。
2人に何の恨みがあろう。
©藤子プロ/ADK (dアニメストア視聴)
公園の出店で勉三さんが買ってきたアイスクリームを2人で食べようとするところ、トンガリがゆきさんの方をまずパクリ。
ゆき(あら。まあ勉三さんたら言ってくれればあげたのに。黙って食べてしまうなんて・・)
勉三(あれ? ゆきさんもう食べちゃったんかな)
ここで勉三さんの方もパクリするトンガリ。
勉三「あ!あれ僕のクリームが!」
ゆき「どうしたの?」
勉三「え、いや、別に・・(僕の分まで食べちゃうなんてすごい食欲だ)」
ゆき(自分で食べたくせに変な勉三さん。それともこういう人なのかしら)
2人「・・・あはははは」 気まずい雰囲気を乾いた笑いでごまかす2人。
無駄に疑心暗鬼にさせるトンガリは罪深き少年だ。
部屋へ戻って ”かくれみの” が紛失していることに気付いたキテレツ。そこへ一連の現象はキテレツの発明の仕業だと推理したブタゴリラが抗議しにやって来る。
するどい。
みよちゃんに「よしなさいよブタゴリラくん!乱暴する人は嫌い!」と逆に怒られたブタゴリラはそのまま逆らえず大人しく。そしてコロ助が犯人だと踏んだキテレツは、部屋から赤いペンキスプレーを持って探しに出る。
一通りイタズラを終えて帰宅するトンガリだが、なんと ”かくれみの” の結び目が分からなくなり元に戻れずママに家に入れてもらえない。でもって何度もインターホンを鳴らすからヒステリックにママにキレられる。
©藤子プロ/ADK (dアニメストア視聴)
トン「脱げなくなるなんてひどいよ。これじゃあ僕がいるって分かってもらえないじゃないか・・グスン」
おとぎ話か ”笑ゥせぇるすまん” みたいな流れだ。「ドーーーン!!!」。
ようやくコロ助を発見し状況を把握したキテレツは ”かくれみの” を持つトンガリを探すことに。
”かくれみの” が脱げず町を彷徨い歩くトンガリ。匂いで反応したベンにベロンベロンに舐められ「よせよ!何をするのー!よせよったらー」と叫ぶも、ぱっと見ベンが喋ってるようにしか見えず唖然とする通りすがりのみよこ。
みよちゃん発明品の説明聞いてたのに勘が悪いね。
©藤子プロ/ADK (dアニメストア視聴)
そこへキテレツたちが合流し、みよこの「ベンが喋ったの」という発言からトンガリの行方を導き出す。
ベンから逃れたトンガリは道路の反対側にパパを見つけるも「パパーパパーここだよ僕だよ〜」と叫ぶんだが、花の添えられている死亡事故発生現場の真横で叫ぶもんだから信号待ちの家族もビビるホラーな展開。
パパに声は聞こえるが、気のせいかと判断されて去ってしまう。
©藤子プロ/ADK (dアニメストア視聴)
途方に暮れ公園のブランコで落ち込むトンガリ。これもまたブランコが勝手にギコギコ動くもんだから幽霊みたいでこわいんだが、公園を探しにきたキテレツたちがブランコに気付いてくれて、赤スプレーを振りかけられようやくトンガリが発見される。
©藤子プロ/ADK (dアニメストア視聴)
そこへタイミングよくブタゴリラ登場。野球のイタズラの仕返しにゲンコツを何発も食らわしている。
元はと言えばブタゴリラが悪いのにね。
©藤子プロ/ADK (dアニメストア視聴)
スプレーで真っ赤なトンガリが蓑から開放されて笑顔でゲンコツを受けているところが一番のホラーシーンかなというところで終了。
ドMかよ。
チュルルルルン!チュッチュン!
ねえ、勉三さんとゆきさんの誤解は解いてあげないのかい?
総括
コロちゃんて過去の記憶が残されている仕様だったんだね。雨の中キテレツ斎様と蓑をかぶって畑を測量をしている記憶がじんわりノスタルジックだったね。現代(昭和だけど)でも家族に大事にされていることをキテレツ斎様にも伝えたいものです。
今回私が感激したのは、コロちゃんが前回はじめて食べて大好物になったコロッケを夕飯にさっそく取り入れられているあたりママの愛情を感じたのです。
なにしろ真夏にコロッケを揚げるのはちょっとしんどい気持ちにりそうだもん。
※放送回はお盆真っ只中
んで、災難だったのは勉三さんたちだよね。若い時の恋愛なんて何がきっかけで冷めちゃうか分からない危うさがあるから ”食い意地の張った奴” ”意地汚い” ”挙動がおかしい” などの印象は今後の関係性に影響がありそうで心配だなと思いました。
あと脚本家が違っても一貫してゆきさんの抑揚のない声とひんやりした思考が引き継がれているのはいいと思いました。かすかに感じる狂気が彼女の魅力である。
あ、でもトンガリパパの「ざんす」言葉だけは継承されておらず残念なところだったが。
全体的な流れは整合性が取れていたと思う。わりと易しいお話って感じ。
トンガリの悲しみは伝わったよ。どっちかっていうと自分が死んだことに気付いていない幽霊感がすごかったけど。怖めのおとぎ話というか、ゆきさんばりのひんやり感のある雰囲気を醸し出していたように思う。夏だからかな。
オススメの測量機器はこちら:【暗い場所も測定可能】工匠藤井 距離測定計
※アフィリエイトなどはやっていません。強いて言えばこのリンクは迷い込んでくる人を呼び込むためのテキストのエサ!m(__)m