第5話その①「てんぐの抜け穴でらくらくハイキング」
コロ助のポンコツレベル ☆☆☆☆☆
1988年4月24日放送/脚本 雪室俊一
※今回のコロ助は天才※
©藤子プロ/ADK
ハイキングに行くためにリュックにお菓子や果物を大量に詰めるコロ助たち。
重くて持ち上がらないので、食べ物を減らす減らさないで口論。「あんな山では遭難なんてしない」と舐めているキテレツに対して「油断は禁物ナリ食料は大事ナリ」と反論するコロ助。
2話あたりから薄々気がついていたけど、初期のコロ助の発言はけっこうまともだ。
でも持参するお菓子の量は多すぎなんだけど。
一方その頃、勉三さんはハイキングのリーダーとして心構えを登山本で学んでいた。
目の前には ”絶対合格!” ”来年こそ” ”ワーッ!” というやる気があるのかないのか怪しい落書きノートが広がっているだけあって、まず読む本を間違えている。
ダダ漏れるそれじゃない感。
ハイキングに対しての責任感は認めるけれども、そもそも受験勉強を優先したほうがいい。。
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木手家ではまだ荷詰めに決着がついていない。
食い意地の張ったコロ助が荷物をさらに増やそうとするし、「行く前からくたびれた」とボヤくキテレツは、ついにラクをするために閃いてしまった。
ぼくにはキテレツ大百科がある・・。と。
さて今日の発明品はこの先ウン年と大活躍する ”てんぐの抜け穴” である。
ようは「近道を作る装置だよ」のみで説明がぜんぜんロジカルじゃないんだが、SFギャクアニメだしってことで割愛したんだろうな。
ともかくテープで囲った場所同士の空間が捻じ曲げられて繋がる、どこでもドア的な仕組みというわけだ。
ま、コロ助が怖がって使ってくれないとかいう事態さえ避けられれば説明なんてなくても問題ないよね。
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翌日、ちゃんと集合場所に向かうキテレツとコロ助。
私はてっきりテープをブタゴリラあたりに渡して部屋からラクしてハイキングに行こうとしているのかと思っていたら、手ぶらで身軽に行きたかっただけらしい。
ちなみに、なぜ手ぶらなのかはもったいぶってメンバーたちに説明しないでいる。
(参加者:キテ、コロ、勉三、ミヨ、ブタ、トン)
さて、山道でかわいいお花を見つけ何の花か考える一行。ハイキングっぽい!
「チューリップやひまわりじゃないことは確かだす」とか言う勉三さんに「これは大学落ちるわけだよ~w」と軽口を叩くトンガリ。
みよちゃんに注意され失礼な発言をしたことに気付いてハッとするんだが、人の気持ち汲み取れなさすぎだろトンガリ!
小学生に半笑いでバカにされて「構わないよ、みよこさん。僕は傷つくことに慣れているから・・」と膝をつく勉三さん。切ない・・。
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無個性だったトンガリがついにイヤラシさ全開で個性を開花している間、キテレツはてんぐの抜け穴で部屋に戻ってその花のことを植物図鑑で調べて戻ってくる。
だけどコロ助はそのまま部屋で眠くなっちゃってお昼ごはんの時間までお昼寝すると言い出す。
コロ助らしい我が道を行くぐうたらなスタイルが見られて私はうれしい。
眠いもんは仕方がないのでみんなには「コロ助は寝てるからお昼になったら来るって~」と適当に説明するキテレツだが、「え? どこで寝てるんだよ?」って感じ。
勉三さんは「こういう場合は団体行動がもっとも重要だからね・・」と不安そうである。
そしてまたフラッと消えるキテレツに、みんな心配する。
お弁当になるものを探しているんじゃないかという話になり、「弁当も持たずにハイキングに来るなんて、勉強もしないで受験するようなもんだよねえ、勉三さん?」と、先ほどに続いて勉三さんに突っかかるトンガリ。
再びみよちゃんにたしなめられる。勉強しても受験に失敗し続けている勉三さんを何だと思っているんだ!この元祖マザコン男め!
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そこに、てんぐの抜け穴を使って家から鍋や食材を運びお味噌汁やBBQのようなことをやりだすキテレツたち。
みんなにもお裾分け。
空気もご飯も美味しいと喜ぶ勉三さん。
ブタゴリラは「あいつらないはずの肉や鍋を見つけたんだぞ!ならば自分だって!!」と、対抗心を燃やし時期外れの松茸を探そうと張り切ってしまう。
トンガリは道連れ。
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そしてまんまと山で遭難する2人。。
「僕はリーダーとして信頼されていないんだろうか」と2人を探しながら落ち込む勉三さんに「武士は諦めないナリ!」と見当違いな励ましをするコロ助(昼寝から戻った)。
「僕は武士じゃなくて浪人だかんね・・」と、場を凍らせるような浪人ギャグを低めのテンションでかます勉三さんが今回のハイライトですね。
そんなこんなで、けっこうすぐに見つかったブタゴリラたち。
よかったよかった。と安堵したのもつかの間…なんと夢中になって2人を探すうちに勉三さんも道が分からなくなっていた…。
しかも、自分たちが悪いのにトンガリとブタゴリラに責められる勉三さんかわいそう。
そこで活躍するのが、キテレツの部屋とつながったてんぐの抜け穴。道具があるのでキテレツとコロ助の心持ちは余裕です。
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余裕だからと、せっかくブタゴリラが困っているんだから助ける前に日頃いじめられている鬱憤を晴らそう!という2人の邪念が仇となりやっかいな方向へ。。
コロ助が部屋に戻ってブタゴリラの泣き顔を撮影するためのカメラを家の中で探している間に、ママがキテレツの部屋のゴミをてんぐの抜け穴テープを使って古紙回収に出してしまった・・。
慌てふためき回収車を追いかけるコロ助。遭難し続けるみんな。回収車の中で見つからないテープ。
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そんなことも知らず余裕をかまし続けるキテレツだが、てんぐの抜け穴が通れないことを知り愕然とする。
キテレツがみんなに事情を話して、コロ助を待つことに。
ブタ「あんな昔人間が頼りになるかよ」
トン「あの武士は浪人以下だもんね」
勉三「全国の浪人を代表して君たちに言う!最後まで諦めちゃいけん!頑張ろう!」
勉三さん1人すごい前向き・・。
本当に傷つくことに慣れているんだなあ。
人は切羽詰まったときに能力が引き出されるもんで(コロちゃんはからくり人形だけど)、極限状態のコロ助は、部屋の中にてんぐの抜け穴の液体が残っていることに気付いた!そしてテープの残りを液体に浸して・・。
コロ助のおかげで無事、山からの奇跡の生還である。
〜チュルルルンッチャンチャン!
浪人生はトンガリとは距離を置くべき!
総括
コロ助が自由行動をしてお昼寝しちゃたり油断してママにテープを捨てられてしまうところはポンコツなんだけど、コロ助の機転によってみんなが助かるし、そもそもの山を舐めてはいけないという精神はまとも。
勉三さん、来年は合格するといいね。傷つくことに慣れなくていいんだよって言ってあげたい。
また、今まで無個性だったトンガリが火を吹く回だった。
それにしても初期のブタゴリラ・・
野菜を丸ごとお弁当として持参し「味噌をつけて食べると八百屋に生まれたしわ寄せがジワッと口に広がるんだ~」とブタゴリラ節を利かせながら野菜を幸せそうに食べるし、家業を愛する点に関してこのキャラは本当に素晴らしい思う。
が、しかしそのプラスの面を簡単に裏っ返すぐらいのマイナス面が目立つ。
コロ助を締め上げて、てるてる坊主にして物干し竿に吊したりと、野蛮な態度が気になる。
コロ助の「キーテーレ−トゥーーーーた~す~け~て~く~れー!」という叫び声がまだ耳に残っている。。首が吊られている格好なので限りなく際どいし。
コロちゃんをいじめないでいただきたい!
©藤子プロ/ADK