「波の数がたまたま合うだけ」 

だった人たちが、

東京ドームに、そして

各地のライブビューイング会場に集まって、

または配信で観て。

それぞれの持っている

「オードリーのオールナイトニッポン」

の時間を共有した。

まぎれもなく「ラジオ」だった。


5万3000人がいるドームの座席に座りながら

自分の部屋で聴いてるのと同じ感覚でいた。

でも、トークしているふたりを

ときどきオペラグラスで見たその先に

たくさんの人が見えて

「わー、すごい人だ!」

とおどろく瞬間も何度もあった。


今はSNSやタイムフリー、

エリアフリーで、

いろんな人と、いろんな時間、

いろんな場所で共有することが

できるようになったけど、

私が深夜ラジオに出会い、聴き始め、

夢中になり始めたころは、

本当に自分の部屋でこっそり聴いて、

もしくは録音したものを

翌日以降通学時間とかにこっそり聴いて楽しんで、

共有できるのは、

パーソナリティーの声と、

番組で紹介されるハガキだけだった。

自分の送ったハガキが

読まれた瞬間だけ、

スタジオと自分の家がつながって、

すごく不思議な感覚になる、

それもラジオの魅力だった。


その「ひとりの自分だけの空間」が

その空気を保ったまま、

たくさんの人と同時に共有されている

という奇跡でしかない状況を

目撃できて、体感できて、

ラジオリスナーとして、

最高にしあわせな時間だった。


トークゾーンも、

ウーバーの配達やってたのは、

「半年くらいドームのために

このネタあたためてたのか!」

っておどろくネタではあったけど、

とはいえドームを満員にする人が、

ウーバーの配達の最初の承認をするまで

戸惑いまくりビビりまくり、

その後はチップをもらうためにがんばる

っていう……(笑)


長楽の味再現も、

5万人の前でふたりの思い出の味の話して、

それを再現する過程を話して、

実際食べて、

食べたらちゃんと思い出の味で、

若林さんが泣きそうになる、

っていう、

めっちゃラジオなんだけど、

ドームならではの特別感もあるあの流れ、

なんなんですか。


味玉をかけたプロレス、

めっちゃくちゃくだらないのに、

セットも照明も音響も

しっかりプロの仕事で

でも、「味玉の遺恨」ってなんだよ……

っていう。

夫婦間の揉めごとの解決を、

なんで東京ドームでプロレスすんのよ……

っていう、くだらなさ。

そして、

プロレス知らない私でもわかる

オマージュに笑ったし、

春日さんもフワちゃんも、

やってるプロレスのレベルはマジだし、

俯瞰で冷静に見ちゃうと

くだらないと思ってしまうことを、

大人たちが本気でやるって、

やっぱり最高だよなあ。

そして、飯田アナ、

新入社員のころにイベントで見て、

同い年であることにおどろいたけど、

久しぶりに見ても、

やはりそのことにおどろいた……

あの落ち着きと貫禄、なに……(笑)


歌も演技も下手かもしれないけど(笑)

若林さんのラップと

DJに関してのセンスというか、

感性の鋭さがとんでもないなあ、と。

東京ドームでそれを

披露する姿を観ながら思った。

そのほかでも、

きっと私は若林さんの「感性」に

共感してるのかもしれないなあ、

とドームのDJとラップで改めて思った。


真剣な顔でDJしている姿に

「めちゃくちゃ練習したんだなあ」

ってのが見えたけど、

とはいえ、

サンプリングされてるワードに

笑いが止まらないっていう、

「かっこいい」と「笑い」

が共存しているあの空気、最高だった。


というか

「え、東京ドームでDJやって、

星野源と共演して

“ドームでライブしたことあるミュージシャン”

じゃん!

“ドームアーティスト”じゃん!

若林さん、なんか、

めちゃくちゃすごいじゃん!」

って、大興奮してしまった。


個人的は、

源ちゃんがサポートメンバー

連れて来てくれたら

「ドームでヒロくん観られた!

しかもオードリーのドームで!」

って最高すぎる夜になったんだけど

……いや、それは

「源ちゃんのライブに行けよ」って話ですな。


源ちゃんは同い年

(学年はひとつ上だけど)

なので、ラジオを本当にひとりぼっちで

聴いていたあの感覚を知っていて、

なおかつラジオを好きでいる人で、

そのふたりが

ラジオのなかで作り出した奇跡のコラボ、

「Pop Virus」をドームで披露するのも、

「ラジオ」だったなあ。

ラジオの最高を詰め込んでたなあ。

「Orange」も含め、

リリックや、源ちゃんの歌詞変えたのも、

そこまではっきりと聴き取れなかったのが残念。

音源を番組で流してくれたらうれしいな。


そんな最高すぎるコラボのあとに、

「しんやめ」があるのも、

「ラジオ」だなあ、って感じで、

というか、その瞬間に

「しんやめってことは

もう終わるってこと?

え、早くない?」

っておどろき焦る自分がいた。

ほんと、あっという間すぎた。


最後の漫才は、

もう、圧巻というか。

あのミスチル歌うの、大好きなのよ

……あれをあんなにこれでもかと

聴けたのにもずっと笑ってたし、

あの長い長い花道を、

春日さんがゆっくり歩くのも

笑えて泣けたし。

内容は

観た人がそれぞれの心に

刻んでればいいのかな、

と思うので細かくは書かないけど、

あれだけのことをやった後に

30分以上の漫才で爆笑させるって、

めちゃくちゃかっこいいよなあ。


今まで、ネタライブはチケット当たらないし、

フォーラムも武道館も

チケット取れなかったりで行けてないので、

初めて生でオードリーの漫才観たのが

東京ドームであることにも、

冷静になるとすごい震えた。


約1年前に発表されたときは

「まだまだ先だなあ、長いなあ。

でも、それだけかけて

みんなであのおっきな会場を埋める、

それも含めての

“東京ドームライブ”なんだろうな」

と思っていた。


しかし、蓋を開けてみれば、

チケット争奪戦、

埋まらないどころか、

ライブビューイング含め16万人が観るという

とんでもないお祭りになった。

私自身も先行でことごとく外れ、

でもライブビューイングが発表されたので

「最悪それで観られるならよかった」

と胸は撫で下ろしたものの、

現地へ行くことはギリギリまで諦めずに、

スマホを触れるタイミングは、

常にリセール画面リロードババアとなり、

購入画面まで行ってからの

「すでに購入が成立しています」

の画面を何度も見ては

「やっぱり無理なのかー!(涙)」

となる日々。

でも、あきらめずリロードを繰り返したら、

10日前くらいに

なんとかステージ裏体感席をゲットできた。

予想以上のチケット大苦戦も、

「ROAD TO 東京ドーム」

な日々だったなあ。


5年後か、それより前か、

それより後か、

それはわからないけど

まだまだ「トゥース」だったら

みんなでまた集まれたらいいな。

集まれるようにこの日をお守りに

日々を過ごしていこう。