旅の音楽家、マリオとはるちゃん
12、3年ぶりの再会でした
前回会ったのは、水カンリンバをつくったとき
去年も、一昨年も、会える機会はあったのに
都合が合わずに断念し続け
その度に寂しく思っていたけれど
今回は
会いに行きたい、行かなくちゃ、と
湧き上がる気持ちに動かされ
どっぷりと2日間を共に過ごす時間を満喫しました
マリオとはるちゃんを呼んで
2日間をコーディネートしてくれたのは
レク仲間のよしおちゃん
ありがとうね
呼んでほしい名前を自分で書けるように
手作りのいちごモチーフの名札まで準備してくれていました🍓
書く前に撮ればよかった💦
🔶創作・スピリッツキャッチャー🔶
木の枝を小刀で削り、ひたすら磨きをかけていく
スピリッツキャッチャー作りに取り掛かりました
『スピリッツキャッチャー』
これはアメリカ・インディアンに古くから伝わるもので
風をつかまえて音を生み出す楽器のようなもの
風を起こして魂を捕まえるという意味もあるのだそう
わたしが惹かれたのは
“木を削って自分でつくる”というところ
大地に折れ落ちた木枝でも
自分に縁があるものだったら必ず何か感じるものだから
わたしは
木でなにかを創る時は
その木と向き合い、敬愛の意を持って大切に触る
この日は雨が降ったり止んだりの生憎のお天気なので、山に入って枝から探すことは断念して
マリオが前日に自然の中で見つけ
連れ帰ってくれていた数本の木枝の中から選ぶことに
わたしは
妙に惹かれて、手馴染みがしっくりくる枝に出会ってしまう
一見、なんてことない枝切れだけど・・
あなたを触って、すぐにしっくりきたということは
わたしたち、波長が合っているんだろうね♪
なんてことを思いつつ（笑）
先ずはこの枝に挨拶をしながら
この先ずっと側にいてもらうために小刀の刃を当てることを伝えました
ひと削り、ひと削り
飛び出た小枝や木の皮を落としていくうちに
いつしか意識は自分の中にある宇宙へと向かう
これは
タオライアーを創ったときと同じ感覚
糸掛曼荼羅をしているときと同じ感覚
閃きに従いながらモノを創作しているときと同じ感覚
仕上がるまでの数時間
わたしはただひたすらその感覚を楽しみました
わたしは
いつもこういうものに惹かれるのです
風の音や夏の終わりの虫たちの声をBGMに
ゆっくり、のんびり、創る時間
4時間ほどで完成
これ、できることなら写真から取り出して
ぜひ触ってもらいたいくらい
つるっつる、スベッスベの仕上がりで
頬ずりしたいほど愛しいものになりました
そしてね
これは音を聴いてびっくりです‼️
超宇宙的な音がするのです
風の精霊を呼ぶ音、納得です
わたしは
夢中になって音を生み
風の精霊たちと話しました
アメリカ・インディアンの人たちは
山に入るときには熊よけのために
これをずっと振りながら音を出し続けて歩くそうです
これは会ってすぐ、再会の記念に（笑）
🔶野外で夜ごはん🔶
そうこうするうちに
だんだんと陽が暮れ始めたので
夕食の準備に取り掛かります
先ほど木を削って出た沢山の木屑たちも
火を起こすチップとして大活躍しながら
その命を燃やしてくれました
よしおとヤナギー親子
かなり火力があって
木べらで混ぜるのはもう熱くて無理(＞＜)ってことで
火に焚べる木材をいい感じで利用したのです
野外ならではのワイルドさは旨味に繋がるのだ
初めましての人も挨拶を交わせばもう仲間
自由気ままに時が流れて心地良い
音楽あり、お喋りあり、語りあり
なんでもないのに
なんだかとっても楽しい時間
撮って♪撮って♪と
そこにいるみんなが自然と身を寄せてくる（笑）
楽しさがみんなの顔に滲み出てるよ
調理の仕上げは
ダッヂオーブンの蓋に
カンカンに熱した薪炭を乗せ、待つこと数分
蓋を外すと、、、
ジャーン
フワッフワの卵が乗っているオムライスが完成
吊るしたランタン１つの灯りなので
ちょっと写真の色味が悪いけど
本当に、卵、ふわっふわなのです！！
ふわっっふわ❤️
この時間から
マリオとはるちゃんに会いにくるひと
そして
このあと始まる
夜の夜長のプチコンサートを聴きにくる仲間たちのために
食事を10人分ほど準備して
マリオがスマイルウクレレで
音のエッセンスをその場にひとふり
ランタンの灯りの中で
みんなで美味しく美味しくいただきました
夜が更けた頃ロッジに移動して
マリオとはるちゃんのミニミニライブです
前日に、糸島で開催された水カンリンバのWSに参加していたけんちゃんから
みんなでどうぞ♪と、明太子とみかんの差し入れ
けんちゃんは自分のカホンを背負ってきていて
ミニミニコンサートに飛び入り参加です
一期一会の音合わせを楽しみました
ウクレレがあるという奇跡から
難しいと思っていたテクニック
指を滑らせながら音をスライドさせる、キュウィ〜ンという弾き方も
ワンコードのくくりの中で
あっという間に出来てしまったじゃないのよぅ
おぉぉー！！
すっごーい！私たち弾けてるよ〜
マリオのリードで
すぐにみんなで曲を奏で、歌を歌って盛り上がります
何度も何度も
音を奏で、歌を歌い、どんどんみんなが笑顔になってひとつになっていく
音楽には国境がないというけれど
同じ空間でも
人と自分を隔てるものがみるみるうちに
なくなっていく
「音楽があれば世界中で目の前の人を笑顔にできる。僕は子供達を笑顔にしたい。
だから僕は
このウクレレを持って行こうと思うんだ」
音の合間で
数ヶ月後に
志を持って海外へ行くことを決めている青年が
そう言ってわたしに微笑む
うん、楽しみだね
楽しい時間はずーっと続き、夜がだんだん更けていく
いったい、どれくらい時が経ったのだろう
誰も時計を見ようとしないね
素敵な夜だ
夜の山は、100メートル先にもヒソヒソ声がはっきり聞こえるというけれど
この日は
雨が、ロッジから漏れる私たちの音を
綺麗に消してくれていた
雨よ、山よ、ありがとう
楽しいひと時が少し落ち着いて
楽器を片手におもいおもいに過ごしはじめた頃
音を聴いてみたいというリクエストに応えて
わたしは
持参していたタオライアーを少し奏でた
いつのまにか
そっとそばに来て
身体をぴったりとつけたり
ライアーを触っていたりするひとたち
凄いね、みんな
響きを受け取る感覚が素敵すぎる
身体に乗せてほしいな
そう言って横になる女性に奏でていたら
ライアーの空いているところを見つけて
頭で聴きに潜り込んでくる男の子たち（笑）
あぁ〜このまま眠りたい・・
目を閉じた表情が和らいでいく
けど
今から運転して帰らないと😢
という方には
音を下ろしながら奏でてグランディング
楽しい夜は時間の感覚がなくなるね
やっと誰かが時計を見たらしい
日付はとっくに変わり
時計の針は夜中の1時半をとうに回っていた
全員驚愕
名残惜しさをにじませながら、じわじわと解散
懐中電灯の明かりを頼りに
真っ暗闇の中に消えていく仲間になった人たちを見送り
ロッジには
マリオとはるちゃん、よしおとわたしの4人が残る
心地よい疲れと楽しい一日の余韻の中で
よしお家の自家製梅シロップと梅酒で
お疲れ様の乾杯（激ウマ
）
一日をゆっくり振り返り4人で感想を分かち合い、そして、翌日の段取りを簡単に打ち合わせ
明日もあるから、さぁ寝ようか！となったとき
マリオがロッジの床に身体を横たえ
ともちゃん、ちょっと僕のそばでライアーを奏でてみてくれない？
わたしは少しの間
目を閉じて横になっているマリオにライアーの音を向けた
音が止むと
マリオは身体を起こしてこう言った
ともちゃん
明日、僕と一緒に演奏しよう
僕ら二人で、音と響きをみんなに届けよう
えっ⁉︎
突然のことに驚いて恐縮する気持ちも湧いてきたけれど
こんな嬉しいお誘いを
断る理由も意味も、あるはずがない
わたしは
喜んで同意し、マリオにお礼を言った
そして
夜明けまで、あと2、3時間の頃に
私たちは自分たちで持参している寝袋に入って明かりを消した
🔶眠れない夜🔶
暗闇の中で
すぐにみんなの寝息が聞こえ始めた
楽しい一日、心地よい疲労
持参したアロマの香りに包まれて
わたしもストンと眠っていいはずなのに
わたしには、全然眠気がやってこなかった
え〜💦
一日が楽しすぎて興奮しているのだろうか
目を開けても、何も見えない
目を開けても閉じても、見えるのは同じ色
山の夜は真っ暗闇だ
真夜中は虫の声も聴こえない
わたしはしばらくの間
風の音、雨の音、木が揺れる音を聴いていた
気持ちが静かに落ち着いてきた頃
閉じたまぶたの内側に
いくつかの小さな小さな光の粒たちが
ゆっくり、ゆっくり
揺れ落ちてくるのが見える気がした
わぁ・・きれい
こういうの、時々夢で見ている気がする
・・夢で？いや、起きてる時かな
わたしは
真っ暗闇の中で小さな小さな光が舞うのを見ている自分に
今、わたしは、起きているのか？眠っているのか？と自問しながらの時間を過ごした
しばらくすると
虫の声や、鳥が空を飛んでいく羽音が聞こえはじめ、朝がもうすぐやってくる気配を感じた
そう
たぶんわたしは、眠らないまま朝を迎えた
（つづく）
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