[大腿の内転筋]
●恥骨筋
【起始】
恥骨櫛
【停止】
大腿骨恥骨筋線
【支配神経】
大腿神経 (L2、3、4)
【作用】
股関節の屈曲、内転、内旋
【メモ】
本筋が収縮すると骨盤が前傾する。この際、腹筋群が骨盤を後傾させて前方への傾きを抑制している。
股関節の屈曲、内転、内旋に作用する。
●長内転筋
【起始】
恥骨体前面
【停止】
大腿骨粗線内側唇
【支配神経】
閉鎖神経 (L3、4)
【作用】
股関節の内転
股関節の屈曲補助
【メモ】
鼡径靱帯、縫工筋、長内転筋に囲まれた部位を大腿三角(スカルパ三角)といい、生体ではややくぼんでいる。
この部位には大腿動脈、大腿静脈、大腿神経が走り、深部には大腿骨頭がある。
股関節の屈曲補助にも関与する。
●短内転筋
【起始】
恥骨体下枝前面
【停止】
大腿骨粗線内側唇
【支配神経】
閉鎖神経 (L3、4)
【作用】
股関節の内転
内転に伴う股関節の外旋
【メモ】
大腿部の上方内側部にふくらみをつくる6つの筋群のひとつ。
内転筋群は直立位で大腿を互いに近づけ、直立位を維持するのに重要で、ヒトではよく発達している。
内転に伴う股関節の外旋にも関与する。
●大内転筋
【起始】
恥骨体下枝前面、坐骨結節、坐骨枝
【停止】
大腿骨粗線内側唇
大腿骨内側上顆(内転筋結節)
【支配神経】
前面 : 閉鎖神経 (L2、3、4)
後面 : 坐骨神経[脛骨神経部] (L4、5、S1、2、3)
【作用】
股関節の内転
股関節の内転に伴う外旋
【メモ】
閉鎖神経と坐骨神経の二重神経支配を受ける筋。
内転に伴う股関節の外旋にも関与する。
●薄筋
【起始】
恥骨体下枝前面
【停止】
脛骨粗面内側部
【支配神経】
閉鎖神経 (L2、3、4)
【作用】
股関節の内転、内旋
膝関節の屈曲、やや内旋
【メモ】
股関節、膝関節をまたぐ2関節筋。
縫工筋、半腱様筋、薄筋が停止する脛骨内側部を鵞足といい、膝関節の内側を補強する。
●外閉鎖筋
【起始】
閉鎖膜の外面
【停止】
大腿骨転子窩
【支配神経】
閉鎖神経 (L3、4)
【作用】
股関節の外旋、内転
【メモ】
外寛骨筋に分類される、梨状筋、内閉鎖筋、上双子筋、下双子筋、大腿方形筋に内転筋群に分類される外閉鎖筋を加えて深層外旋6筋という。
股関節の外旋、内転に関与する。