アドラー心理学ELM勇気づけトレーナー 本橋悦子です。



必要なだれかに届きますように…



都立大塚病院のリハビリ科に移ってリハビリを開始してから息子の体が少しずつ動き始めました。


STでは、嚥下に問題がないことが確認されると、まず、水にとろみをつけて飲み込む練習から。

それができるようになってからは、ペースト状の食事を一日1回昼食に取るようになりました。

少しずつ、少しずつ口の中に運んでゆっくりゆっくり食べさせていきました。


そのうち自分で食べたがるようになったので、食べやすいスプーンを用意して、サポートしながらではありますが、自分で少しずつ食べるようになりました。

少しでも『自分で』という気持ちが出てきたことがすごく嬉しかったです。

でも、あまり無理はさせられません。

脳に損傷があると私たちが思っている以上にすぐに疲労してしまうからです。


私は、どんなに食べ方が汚くても、たくさん食べられなくても、たくさん食べこぼしても、息子が自分で食べられたこと、少しでも口から食事が取れたことが『すっごくうれしい』と伝えました。

そうすると、嬉しそうな顔をしてくれるんです。

それがまた私の毎日の生きがいになりました。


でも、ベッド上で食事をする際、体幹機能障害の息子は体がすぐにふにゃふにゃしてしまうので、体位を保つためにいろいろな工夫が必要でした。

そこで、OTの先生が食事をする際に看護師にお願いしたことを息子が楽しい気分になるように絵に書いてベッドサイドに貼ってくれました。



先生の愛が伝わります泣

ただ機能回復のためにリハビリをするだけではない先生の気持ちが伝わってきます。


OTでのリハビリでは、大きなものを動かす運動から。



(動画の一場面を写真で撮ったものなので画質が悪いですが…)


先生が動かない右手を持ちながらカップを右から左へ動かしていきます。

カップの握り方も正しくないので、そこから「こうやって持つんだよ~」と先生に直してもらって動かしていくのですが、腕を持ち上げて左へ動かすということができません。

なので、先生が腕を持って動かしてくれています。

これは、事故後2ヶ月半くらいですかねぇ。

この頃になると左手は少しずつ動いてきてます。

でも、本人の思い通りではないようですが。



お散歩するときは帽子をかぶり、靴を履きます。

その時も、私が手に持っていた帽子に手を伸ばし、自分でかぶろうとしたり、靴のかかとに指を入れて自分で履こうとしたりする動作が増えてきて、時間はすごくかかりますが、息子にやらせました。

その様子を見ているのがすごく嬉しかったです。


大丈夫

この子は絶対に大丈夫

時間はかかるかもしれないけど大丈夫


そう思わせてくれることが多くなりました。


しかし、体が少しずつ動くようになって、左手でベッドの柵につかまって体を起こそうとする動作が増えてきました。

でも認知障害があるので何が危険でどうすればいいのかの判断がつかないので、私がベッドサイドにいない時は、ベッドからの転落防止のために転落防止ベルトをつけなければなりませんでした。

そうするとベッドの上で自由に体が動かせなくなります。

そして動く左手で鼻に入っているチューブも抜いてしまうので、手にはミトンをはめることも。

この状態がなんだか切なかったです。

でも、息子の安全のためには仕方のないことでした。

おむつをしているので、下半身の膨らみが半端ない…


この時期もずっと部屋にいるときは、音楽をかけ、読み聞かせもしていました。

この病棟に移ってからは、お見舞いに来てくれる人も多くなり、同級生や学校の先生が頻繁に来てくださるようになって、息子の表情もさらに良くなっていっていきました。


その時の息子の気持ちは全くわかりません。

だけど、彼なりに

「元気になってきてるよ!」

ってアピールしているような気がしました。


変わり果てた息子の姿でしたが、同級生のみんなは笑顔でお見舞いに来てくれたこと、すごく感謝しています。


ありがとうありがとうありがとうありがとうありがとうありがとう