だんだん体が動かなくなってきました。
一歩進むのに、5秒からひどいときは10秒もかかります。
地下の薬品売場でユンケルやらなにやらをガブ飲みして、
一時なんとかなっても、すぐだるくなってきます。
でも、その日はデパートのマネージャーにとって一番大切
な日、そう
【半期に一度の品調べの日】
だったのです。
85人の部下に加え、70人以上のお手伝いの方にお願い
しながら、品調べの指揮をとらなければいけない日なん
ですね。
18時30分からスタートなんですが、18時を過ぎても動け
ません。
ストック場の隅でイスにもたれかかるようにしていました。
部下が何度も様子を見にきます。 「だいじょうぶだから」
うそです。
18時15分になり、気力をすべて出して立ち上がりました。
体がどんなにつらくても、人間気力を振り絞ればなんとか
なるものです。
図面の最終チェックとコピーをするために事務所に行きまし
た。
わたしがすごい顔で入ってきたので、「おっ、すごいやる気
になってるな!」と、いろいろな人から激励されましたが、
じつは違います。
人は表情でかんたんにだまされるものだ、とこの時知りまし
た。
このままいくっきゃない!
イスに座ったら、もう2度と立ち上がれない気がしたので、
ひたすら歩いていました。
今思うと、そんなことしてちゃダメだったんですけど。
<続く>