王様 ものがたり ~(*^^*)仮題~ | ~大葉 千鶴 ~コトバ のイロ 羽根と心 アート 花 詩 ポエム 写真 祈り 希望

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誰かに何処かで読んで貰えたら~黄金の喜~ブログ

見にきて戴けと
ても嬉しく心強いです(*^^*)

本当にうれしい気持ちをいただけています
ありがとうございます

(///▽///)***
笑うこ角に福きたる(*^^*)

僕はどこかの王様だった


そんな気は全くなかったけれど


怖いもの知らずに強がってきた





王冠が誇らしく


ふかふかな

大きな椅子に座り


眺めていたんだ







誰からも優しくされて


甘やかされていたから



それにかまけて



僕は街の歩き方も
知らずにいたことを知らなかった






ある日いつのまにか訪れていた

川で足をすべらかし


流されてしまった







それをみた
ねずみが追いかけまわし
僕に手当てをしてくれた
目を覚ましたその時には

ねずみはそこからいなくなっていた





かわりに
大きなうしがやってくるが
迫るうしが怖くなり後退り



モーといいながら
ずっしりとした身体は寝転がったのか
座ったのか分からず

僕のそばで眠る

ふかふかな
椅子を思いだしながら
もたれかかってみると
いつのまにかぼくも眠りについた


朝陽のまばゆさに目覚めた僕は


湯気が漂うミルクがおかれてあるのに
気がついて空腹からいっきに飲みほし

ふりむけば
もう うしの姿は見当たらない



なにやらゴソゴソ物音がする


なんだろうと覗いてみると




とらが来た



僕の
弱さが露出して


にげまわる


とら   なにも言わず素通りしていき


僕は慌ててふためいてた自分自身が



笑えて


気が抜けた


うさぎがやってきて


「食べられなくてよかったね」


そういいながら僕に笑う

「僕と君は違う」



そう



追い払おうとした


ちいさなうさぎに「何が違うんだい?」



そんなことを語りかけられ



思考は止まった



あれほど僕に拍手していた者たちは


もう一人もいない



僕が誰なのか
うさぎも僕も分からなかった




キラキラした
勲章ばっちもなくなり

王冠も外れて

恥ずかしくて出歩けなくなった



あれれ


僕は誰なんだい



するとみたこともない
りゅうが僕を背中に乗せるんだ



みるみる高く上にあがるから

大慌てで
騒ぎ


おろすようにせがんだ



下を見てごらん


ちいさくてなにもみえないよ


誰が誰なのかねずみなのかうしなのかとらなのかうさぎなのか分からないよ



そうだろ?そういい
僕を背からおろし立ち去った


なんという






しかし………


格好よかった


あの りゅう に


もう一度会いたい




そう
思いながらさがしかけていると




にょろにょろへびが通りぬけた


「さっきの
  りゅうと似てるね
   仲間かい?
   会わせてくれないかい?……」


僕はいつものなら
恐れるへびに語りかけた

パカパカ足音たて
うまがやって来て驚いた
ヘビはどこかに行ってしまう
仕方なくウマに語りかけた




「蛇に似た大きな空を飛ぶ
           龍を知らないかい」





すると僕を背中に乗せて
歩き始めてたどり着いたのは






ひつじだらけの牧場



ふかふかだ


これはあの椅子よりふかふかだ



ぼくは

興奮した


ひつじさん

ふかふかだねと顔をうずめた


そこの主は僕に
ひつじの毛で繕った服をくれた


りゅうのいる場所じゃないことに
気がついた時にはうまの姿はなかった

どこにいったんだ?

どうしてここに?


何をしにきたんだ?



そんな疑問が浮かんだ瞬間
バナナの皮で
すべりころんでいたら

おさるさんがいた

君の仕業かと僕は怒りはじめた頃に

木の実を加えとりが飛び去っていた

さっきまで怒っていたことを
すっかり忘れ赤い実が気になりはじめ


追いかけた



わんわんわん
どこからかいぬが吠え出した




するととりは加えた実を
くちばしからはなし去っていく


思いがけずに手にいれた
赤い実にいぬが吠えるから隠しこんだ


いぬはキョトンとして
ゆっくり飼い主のもとへもどる





すると突進してくるいのししがやってきた



慌てて赤い実を森におもいっきり投げやると森のなかにそのまま突進していった


後退りした僕は笑った


何がなんだか分からない


僕は僕が王様だったと気がついた


ちいさなねずみに介抱してもらったこと


大きなうしにもたれ
掛かり眠りつけていたこと

なにやら知りもしないで
恐がっていた
とらがいたこと



同じ生き物であること





着せてもらう
服はあたたかい服であること


さるに囚われていたり
とりに気をそらせること


吠えていたいぬ


突進してたいのししもいた。




欲しがっていたものは本当に大切か?




何より大切なものは





もう  なにも手元にはない


勲章のバッチや王冠か?と


問いかけるように





ぼんやり思いふけていると


なにやら天の声かのような声がした


「僕たちを覚えたかい?」





子丑寅卯辰巳午羊申酉戌亥



驚いた


生き物が勢揃いして



にっこり微笑んで浮かぶ顔


どんなときも見守っているよ


そう言い残し


どこかそれぞれの場所に



戻っていったけれど





確かにあった



ぬくもりがある




王様は王様じゃなくなったけれど




何より大切なもの見つけれた気がした