元ボストンヒルクライマーの山ブログ -4ページ目

元ボストンヒルクライマーの山ブログ

お久しぶりです。
2019年にアメリカ(ボストン)留学を終え、日本に帰国しました。
最近になりはじめた山登りについて書いていこうかと思います。

後輩の方々向けのこのブログ、ほぼ日刊イトイ新聞的に表現するならば、"ほぼ季刊あるいは年刊ボスヒル新聞"と化してしまいました。まあ、なかなか手が回らないので致し方なしですが、最近プロジェクトに関して良いことが続いたので、久しぶりに更新してみようと思います。

 

さて、多いのか少ないのかわかりませんが、私、今のラボで5つのプロジェクトを行っています。あまり詳細を明かすことはできないのですが、1つ目は留学後から一貫して進めてきたがんのアポトーシス(細胞死)に関するプロジェクト、二つ目はボスから帰国後に役立つはずと勧められて開始したがん組織の体外培養(explantといいます)に関するプロジェクト、3つ目は患者さんのがん組織をmouseちゃん達に移植してがんを増殖させ遺伝子の特徴や薬剤に対する効果などを調べるプロジェクト、4つ目はがんの増殖や転移に重要な役割を果たしているタンパク質(核内受容体)に関するプロジェクト、5つ目は4つ目に関連するプロジェクトです。

 

それぞれの進行状況ですが、

1つ目のプロジェクトは、3年目にしてやっと論文のドラフト(下書き)を作成するところまでこぎつけました。論文の先の研究の発展、さらに臨床応用への道をどうしていくかが目下ボスとの協議の中心となっています。

 

2つ目のプロジェクトは、アメリカ西海岸のStanford大学に学びに行ったものですが、細胞の培養液を1から作る作業がなかなか進まなかったのですが、なんとか作成終了し、次の段階にきています。薬剤の効果判定などに生かしたいと思っています。

 

3つ目のプロジェクトは、半年前くらいから実際に動き始めたものです。私が扱っているがん種はこれを作成するのが(非常に)難しいのですが、どうやら最初のグループの中で腫瘍を形成したmouseがでてきました。かなり興奮して、ボスに報告したところ、満面の笑みのもと握手を求められました。よく考えたらボスと握手をしたのは、留学後に初めて挨拶に来た時以来だったので、ボスも同様にかなり興奮していたんだと思います。

 

4つ目のプロジェクトは、核内受容体の機能に関するプロジェクトで、近所のDana Farber Cancer Instituteの先生とのコラボレーションで始めたものです。特に、この核内受容体に関するプロジェクトに関しては、留学前から携わりたいと思っていた領域だったので、個人的にも喜びを感じながら、進めています。

 

5つ目のプロジェクトは、やはり核内受容体に関するもので、以前にいたポスドクの仕事を引き継ぐ形で始め、今度中国から来る新しいポスドクをあらかじめ補佐するような形で行っているものです。こちらに関しては、引き継いで最初に行った実験で、ボスが予想(期待)していたものの、これまで一度も得られていなかったクリアな結果を幸運にも出すことができ(その後の実験でも再現することができております)、こちらもボスがGreat、excitingな結果だと喜んでくれています。

 

同じフロアにいる日本人研究者仲間の一人が、”一旦良い結果が出ると、どんどん良い結果が出るようになる”と言っていましたが、まさにそのような状態と感じています。

 

サンクスギビング、クリスマスといったホリデーシーズンも、アメリカに来てから3度目となりました。アメリカの生活そのものには慣れてしまいましたが、こと研究に関しては、こどもの時の謎解きで興奮していたのを思い出すかのごとく、毎日、こうしたらどうなるだろう、あーしたらうまくいくかも・・・など強い好奇心を持ちながら、結果に一喜一憂することをも楽しみながらの生活で、慣れる(飽きる?)ことがありません。

 

このように本当に非常に充実したラボ生活を送れているのも、ひとえに私をアメリカに送り出してくれた日本のボス、先輩、同級生、後輩、両親(妻と私の)のおかげだと本当に感謝しています。

 

ということで、最後はやっぱり、「引き続き頑張ります」の一言で締めたいと思います。

 

 

と、これだけでは面白味がないので、連休に訪れたワシントンDCの航空博物館別館で、実際に宇宙を旅したスペースシャトルDiscoveryの前で、宇宙のはじまりに思いを馳せながら撮った写真を載せたいと思います。

 

 

それでは、また春先に・・・