例えばアップルのロゴがある。
りんごがかけたマークでおなじみのあれである。
あれはかっこいいのか?
例えばマックのロゴがある。
黄色字でMのマークでおなじみである。
あれはかっこいいのか?
よくロゴのデザインやクリエイティブのデザインについて『ダサい』『かっこいい』などの議論がされているがそれは果たして建設的な議論なのだろうか。
先日、とある事業のロゴについて9月からキャリア入社した方からデザイナーに対し『こんなダサいロゴじゃ売れない!』という意見があったらしく、(まーその場にいなかったからなんとも言えんのだが)少々ギクシャクとしたミーティングが展開されたようだ。
まったくもって本末転倒である。
キャリア入社の方は今までも外食や店舗運営において実績を残した方のようではあるがいささか勇み足が過ぎるようだ。
すでに走っているサービスに対してその程度の異論を展開するのは、僕からすれば素人集団の中でキャリア的アドヴァンテージを見せ付けたいだけの、まーただの効かしである。
ここで大きく勘違いしてはいけないことは、この手のものは十派一からげにしてはいけないということである。
例えば、ロゴのデザインとウェブサイトのデザインではそのポイントは大きく違う。
◆ ロゴの場合
これはほぼ決定責任者の嗜好に順ずるところが大きい。
だから極端に言えば、『どういうものであっても結論はかまわない』と言うことなのである
つまりこれらを決めるのは決定する段階においてその事業もしくは会社の責任者(社長とかね)の嗜好にゆだねられる。つーことはダサいダサくないを議論していいのはそのレイヤーの人だけと言うことになる。
◆ ウェブの場合
主にウェブサイトは日常に存在する『道具』であり、紙を切るのに鋏が・言葉を伝えるのにペンと紙が必要なように、ウェブは《情報の発信・受信・収集 他》などなど今後の進化にもよるが要はここがポイントなのである。
だから、ウェブのデザインで重要なことは『機能的であるかどうか?』である。
情報がとりやすく、またサービスとしてコンバージョンし易いかどうかなのである。
上記の2例を踏まえて、デザインのかっこよさなどの議論を末端がすることにどう視点で考えればいいかと言うことが分かるだろう。
分からない?
つまり、機能的であるウェブの場合は『かっこいい・かっこ悪い』ではなく『わかりやすい・分かりにくい』が判断基準になる。
だからといって、ダサい=分かりづらいにはならない。
ここにはSEMを含むプロモーションの方法も大きく関わってくるし、ニーズがあれば分かりづらくても買うやつは買うし調べるやつは調べる。
だからウェブは難しいのである。
一方ロゴは先ほどもいったとおり事業のプレイヤーにとっては極論はどういうものであってもかまわない。
サービスに対しての要件定義などもなくブランドポリシーも初期段階で考えられていなければなおさらである。
で、最初の話に戻るが、アップルやマクドナルドのロゴは認知されているわけで、あれがカッコいいとか分かりやすいと言うのは、認知の過程で生まれたものである。
つまりプロモーション活動の副次的な副産物に他ならない。
言い換えれば、彼らはどんなロゴであったとしてもかっこよくさせたに違いない。
ではどうやって?
簡単である。
その役目を果たすのが、マーケティングやセールスプロモーションやPRなのである。
アップルは先端的な複数のプロダクトがあり、それを持つことがステータスだと言うところもまで、スティ-ヴ・ジョブズのプレゼンテーションを含めてプロモーションが成功したから出来上がったのであるわけです。
こういうのを総じてブランディングというのである。
本来であればどのようにサービスやロゴを認知させるかのブランドコミュニケーションを検討する会議の中でその程度の議論しかできないと言うのは、なんというか先が思いやられる。
仮にロゴがかっこよければ何もせずとも認知され売れるのか?
そんなわきゃねーだろ。
再三いうがロゴと言うのは極論どうでもいい。というよりもどうであっても良くなるのである。
その後のプロセスさえよければ。
ロゴとは人なのです。
だから生んだ後はみんなで育てなきゃいけない。
それを親が変わった瞬間にダサいから要らないなんていうのは、再婚した後に連れ子は俺の子供じゃないから捨てて来いといっているクズとなんら変わらないのである。
その育てる過程にあることがマーケティングやセールスプロモーションやPRなのです、さっきも言ったが。
まずはロゴやデザインに云々ケチつける前にどうやれば、立派に育てられるかそのプランを考えましょう。
そして、おそらくそのクズと今日ミーティングが入っているようだからどんなクズかしっかり見定めてこよう。