皆様お馴染みのジュクコ先生こと長谷川智也氏のブログで、大変共感する記事があったので、リブログさせていただいた上で、自分の思うところを述べたいと思います。


長谷川氏の記事の最後の方にある、


基本的には子供が選択し、それに従えばよいのです。ダイエーホークス時代の工藤公康投手が、打たれても城島健司捕手を育てたような感じです(わからんかw)


という文章について、最初に解説しておきます。自分はこれをテレビのドキュメンタリーで見た記憶があります。


・福岡ダイエーホークス(当時)に、期待の新人として城島捕手が加入する

・西武ライオンズから、ベテランのエース工藤投手がFAで移籍してくる

・球団首脳が、工藤投手に城島捕手の育成・指導を依頼する

・工藤投手が城島捕手に配球の組み方などを指導する。その過程で、公式戦の試合中、城島捕手からのサインに対し、工藤投手は「今、その球を投げたら打たれるよ」と分かっていながら、城島捕手の育成の為にあえてサイン通りの球を投げて、打たれる。その後「なぜ打たれたのか」を城島捕手に指導する。


そういう場面があったと思います。


多分、この動画の元になっている番組です。


若者の育成の為には「あえて失敗させてみて、そこから学ばせる」ということが必要なのだな、とそのドキュメンタリーをテレビで見ていた自分は思ったものでした。


翻って、中学受験業界を筆頭に教育熱心な保護者といえば、


子供にできる限り失敗させないように、保護者が先回りして失敗に繋がりそうな要因を排除する


という、「本人の判断でやらせて、あえて失敗させて、失敗から学習させる」という姿勢とは正反対の方々が少なくないな、と思います。


・塾の授業でも充分すぎるくらい「先取り」なのに、塾の授業が理解できるように「先取りの先取り」をやらせる。


・塾のテストで良いスコアが取れるよう、またはクラス落ちしないよう、毎回の復習テストや月1程度の模試の試験対策をする。場合によっては「過去問」を買ってきて過去問演習をする。


・学習内容に「抜け漏れ」がないよう、保護者が細かくチェック、不足分は「保護者主導で」穴埋めをやらせる。


まあ、よく聞く話です。


でも、普段から失敗と自力でのリカバリーの経験をさせていないから、保護者の手が借りられない場面でちょっと自分が思ったようにいかないことがあっただけで、そこから自力で立て直すことができず、その後が全部崩壊する「豆腐メンタル」になるのでは、と自分は思います。

目先の些細な失敗・挫折を回避させようとして、大局的には「本番に弱い」「逆境に弱い」人間を育成している、とは言い過ぎでしょうか。


失敗のない人生なんてありえないので、普段から「致命傷にならない程度の失敗」を許容して、ロバスト性(強靭性)が高くなるように仕向けた方が、人生トータルでは失敗も挫折も少なくて済むのではないかな、と自分は考えます。


P.S.
マイクロマネジメントは弊害も大きいですよ。