*あくまで個人の感想です(笑)。
*もっと良い方法論をご存知の方はご教示ください。

現在、限定記事の方で、自分の過去の学習の振り返りなどを書いているのですが、その中で「数学は論理的な学問なのに、数学の難しい問題が解けるようになるプロセスを論理的に説明するのは難しい」ということに気付きました。

数理系のエキスパートたちは「教科書を読んで書いてあることを理解したら、普通は解けるでしょ?」みたいな感じだし、(彼らの「普通」で、一般人の「普通」とは異なります(笑))そこまでの能力はなくても、いろいろ試しているうちに解けるようになっていた、という経験をしたことがある方は少なくないと思います。

このあたりの方法論を、論理的に説明できれば、世の中の「数学嫌い」も減るんじゃないかと思いますが、万人とは言わないまでも、過半数の日本人に適用できるくらいの「数学の勉強の方法論」には、自分はお目にかかったことがありません。



ただ、自分の過去を振り返って、「これをやったら必ず後で行き詰まる」という、必勝法ならぬ「必敗法」があったのでご紹介しておきます(笑)。その方法は、

①定義を正しく理解しない
②定理、公式の証明を自分の手でやらない
③式変形を自分の手でやらない

①定義を正しく理解しない、は論外ですが、意外とやっています。新しい概念を学習する時、教科書では必ず使う用語、関数などを定義していますが、これをちゃんと読んで理解したでしょうか?
結構、適当に読み飛ばして、自分の中で「定義」があいまいなまま、問題を解くというステップに移っていることが少なくない気がします。

②定理、公式の証明は教科書に必ず書いてあります。その導出方法も高校までは丁寧に書かれています。「これまで理解できているところ」から、自分の手を使って定理・公式を導く過程で、その定理・公式の意味、式変形の意味などが理解できたように思います。
ここを手を抜いて、字面だけ眺めて「分かったつもり」になっていたり、「定理・公式の使い方」を習得しようとするのは、「取説を読まないで道具を使う」のと同じで、正しくない使い方をしたり、道具としての真価を引き出せなかったり、トラブル時の対処法が分からなかったりと、「道具を効率的に正しく使う」ことができず、学習が二度手間三度手間になったり、途中から道具が使えなくなったりするように思います。

③数学の式変形、ちゃんと全部自分でやったでしょうか?教科書や問題集の解説にある式変形は場合によってはかなり長くなるので、式を「見て」、結論を読んで、その場では分かったつもりになる。でも実際はほとんど分かってなかった、ということは本当によくありました(苦笑)。
式を変形して解答に至る過程には、公式の使い方のみならず、数理的な考え方が詰まっているので、これをトレースして自分のものにする、それが重要なように思います。その為にはこのプロセスを、模範解答を見たあとでいいから、何も見ずに自分で再現できるようにする、というのが必要なのだと思います。



以上のことから言えるのは、数学の学習は「論理を理解すること」が中心にあって、「問題が解けること」はあくまでも副産物にすぎないのに、その副産物の「成果」を早急に求めるあまり、本来中心にあるべき「論理的な理解」をおざなりにしてしまい、「道具を中途半端にしか使いこなせない」残念な状態になるのかな、と考えます。

上記の「①②③の逆」を最初に丁寧にやることが、手間はかかるけど、後で数学が行き詰まることを回避する有効な手段になるのかな、という気がします。