*あくまでも個人の感想です。
*データの集計や解釈に誤りがあったらご指摘ください。

最初に書いておくと、この文章を書いている自分は4科受験を推奨しています。でもまあ、6年生の後半で社会を受験科目に仕上げるには、理科と同程度のリソースを必要とするので、そこまでやってられないという判断も理解はできます。強いて言えば、社会を勉強しないのは、3科目受験を「標準」にしてしまった、関西の私立中学業界が悪いと申しましょうか。

それはさておき。

どのタイミングで「社会をやめる」判断をするのか、データから分析してみようと考え、2023年組(現中1)の公開テストの3科の受験者比率を男女別に集計してみました。
集計結果を単純にグラフ化したのが図1ですが、毎年8月の3科受験者の増加がノイズになっているので、8月のデータを抜いたのが図2になります。今回、図2を元に考察を進めます。

図1: 公開テストの3科受験者の推移


図2: 公開テストの3科受験者の推移

(5年8月と6年8月を除いたグラフ)


男女とも、5年の秋以降に少しずつ3科受験者の割合が増えていきます。社会の学習・テスト範囲に日本史が入ってきて、(地理に比べて)初見のものが多いので覚えることが多い、またこの時期に、中学受験算数の「主題」である「比と割合」の学習が佳境を迎えるので、学習のリソースが足りなくなるのかな、と推定します。
中学受験の算数と理科は、何でもかんでも「比と割合」に話を持っていきます(苦笑)。「中学受験は比と割合が重要」なんて生易しいものではなく、「比と割合が使えなければお話にならない」と表現した方が適切じゃないか、と思います。

男子は6年の春(4月)以降に少しずつ3科受験が増えてきます。3科受験の「増加量」が多いのが9-10月で、3科に集中する為に、受験科目として使えるレベルにならなかった社会に見切りをつける、といったところでしょうか。

女子は学年の変わり目(2月)から7月まで少しずつ3科受験率が上がっていき、10月まで横ばい、そして11月-12月の最終段階になって、「最後の伸び」がある感じです。
女子は神戸女学院が4科目必須のほか、女子が進学できる難易度の高い学校で、システム的に4科受験が圧倒的に有利な「アラカルト方式」を採用している学校があったり、そうでなくとも「3科より4科の合格者が多い」というデータがあったりするので、4科受験のインセンティブが大きいです。
しかし、社会の仕上げにそれなりの時間がかかる上、他の科目の勉強時間が足りなくなり、いよいよ入試本番を前に「決断」するのかな、などと考えています。


そんなわけで、今回の結論。

(社会をやらない人の比率が)
6年生の最後まで伸びます!


P.S.
ちなみに、3科と4科の受験が設定されている学校では、入学後は4科の生徒に合わせた授業進行になります(できる生徒に合わせるのが私立)。入試までやらなかった分は、入試後の2月-3月で埋めておかないと、入学後が大変です。