あくまでも個人の妄想です(笑)。

難関私立中学も、難関国立大学の理系も、算数/数学の問題が難しいのは皆様ご存知だと思います。算数/数学(と大学入試の物理)を除く他の科目が、難易度が上がっても全くできないということはないのに対し、算数/数学、物理は「公開テストで偏差値60台は取れるのに、過去問では全然できない」「共通テスト(旧センター試験)で満点が取れるけど、2次試験の問題では歯が立たない」というのが普通に起こるので、なんでかな〜と考えてみました。

難易度を絵的(笑)に書いてみると、

①一般的な模試
難■
↑■■
並■■■■
↓■■
易■

②大学入試共通テスト
並■■■■
↓■■■■
易■■

③一般的な「難しい試験」
難■■
↑■■■■■
並■■
↓■

④算数/数学・物理の「難しい試験」
難■■■
↑■■■■■■
並■

①一般的な模試は、さまざまなレベルの受験生がいてその学力を判定しないといけないので、易しい問題から難しい問題まで織り交ぜて作っています。算数でも「並」の難易度まで確実にできて難しい問題に少し手が出せるくらいで、偏差値60台の半ばくらいになるのかな、という感じです。

②大学入試共通テスト(旧センター試験)は、問題の難易度は高くありません。ただ分量が多いだけです。これは塾・予備校の模試以上に受験生の学力の幅が広く難易度は上げられないので、「分量を増やして受験生の処理速度の差で点数のグラデーションがつく」ようになっているといえます。試験としては芸がないですが、試験の目的を考えると致し方ないともいえます。

③一般的な「難しい試験」では、「並」以下の難易度の問題を多少残しつつ、難易度の中心を難しい方に持っていくので、全く手が出ないことはないです。しかし、ある程度以上の得点を取るには、難易度が高い問題にも対処できる必要があります。

④算数/数学・物理の「難しい試験」は、易しい問題は皆無、並の問題もわずかで、高難易度の問題が主体です。これらの試験で易しい問題を混ぜると「受験者全員ができる」ことが起こるので、最初から問題に入れていないと思われます。
なので、高難易度の問題に対処できるようにしておく準備が必要で、それをしていないと①②はできるのに、④には歯が立たない、という本稿の冒頭に書いたようなことが起こると考えられます。

以上が自分の妄想的考察です(笑)。真偽は保証いたしません。

関西の中学受験塾で、算数の高難易度の問題対策に特化した講座が多い理由が、自分の中では「納得できた」感じです。「公開学力テストで高めの偏差値が出せる」と「難関私立中の算数で得点を取れる」は、必要十分条件ではないんだな、と思います。

あと、②の共通テストは、高得点を取る為に必要とされる処理能力がどんどん上がっています(数学以外でも)。今の受験生には気の毒な話です。今の受験生が20世紀の「共通一次試験」「センター試験」の過去問を見たら「昔はこんなレベルで良かったんだ」と思うことでしょう(笑)。