最初に、この文章は学校関係者でも塾関係者でもない、ただの一般人の個人的意見であるとお断りしておきます。

公開テストの結果で、自分が一番良く見ているのは、社会の受験者の推移です(笑)。
3科と4科の男女受験者数から男女別の社会の受験者を割り出していますが、時系列で見ていると、3科のみの受験者が増えるのが、男子が6年生の3-4月、女子が6年生の5-6月のようでした。社会をやめる決断をするタイミングが、男子と女子で違うんだな〜と思いながらデータを眺めています。

関西の中学受験塾でかなり特異的なのが、3科受講が標準で社会がオプション扱いになっていることでしょう。原因は某難関中の受験科目に社会がないことで、それが他の学校・塾まで影響を与えているのだと思いますが、「中学入試に合格する」ことを目的にする塾がそれに対応するシステムにするのは必然です。学習に使えるリソースが限られている以上、3科だけの試験しか受けない男子で3科に集中という判断も理解できます。

他方、女子の入学できる難関校と呼ばれる学校では、アラカルト方式で明確に4科有利を打ち出している学校もあるし、4科有利を明示していない方式でも「4科の方が合格者が多い」というデータを塾が提示している学校もあるので、女子は簡単にはやめられないのだと思います。

3科と4科のどちらでも受験可能な学校で、4科の受験生有利にしたくなる理由は、学校の立場を考えると分かる気がします。進学校と呼ばれる学校の経営上の目標には「難関国立大学の合格者を増やす」があるわけですが、その為には、難関国立大学の試験に対処できる「多数の科目を並行してこなせる生徒」が必要になります。

6年後の大学入試で多科目をパラでこなせる生徒を中学入試の段階でどう判別するか。「理科で80点を取った受験生」と「理科と社会で80点を取った受験生」で、後者に軍配を上げるのは当然な気がします。

社会という科目が軽視されている関西の中学受験で、どんどん社会の受講者も受験者も減っていく中で、それでも頑張り続ける社会の受験生にエールを送りたいと思います。