前回のおはなしは、

 

他者の課題に首を突っ込むと弊害が生じ

他者の課題に踏みこむ行為は、苦痛を引き寄せる行動とも言える

 

 

今回は、

中高生のほっておけない不登校をテーマに

課題の分離特別ルールをお伝えします。

 

 

『共同の課題』

 

こんな場合にだけ特別ルールとして共同の課題にします。

 

・子供が相談したり頼みごとを言ってきた場合

・子供の行為が具体的に親が迷惑を被った場合

・親が子供に相談し、頼みごとを言った場合

・親の行為で子供が迷惑を被った場合

 

 

言葉にした場合、

『共同の課題』に取り上げるかどうかをまず考えます。

 

本来の『子供の課題』に子供自身で解決できる課題であるなら

 

勇気を損なわないよう、

肯定的な言葉と態度で子供の課題に取り組めるよう勧めましょう。

 

 

何でもかんでも相談にのって手出し口出しするのでなく断って取り上げないのもありなんです。

 

 

 

 

ではまず、

不登校を『課題の分離』で分けてみます。

 

 

「学校に行かない」「行きたくない」

は、子供自身が最終、責任を負うことであり

親がコントロールできない子供の感情なので『子供の課題』


 

なんで学校に行かないの?

なんとかして学校に行かせたい!

家にいられるとイライラする!

このまま行かなくなったらどうしよう

 

そんな

 

「学校に行かなくて心配」

「行かないから不安、イラついてしまう」

は、親がコントロールできる感情であって『親の課題』

 

 

『感情をコントロールする』のが親の課題となります。

 

 

子供のことを考え、ときにはイラつくのも産みの母。

 

子供のイキイキした元気な姿が見たくなるのも育ての親。

 

不登校でひきこもっていられると母として親として神経が衰弱するほどほんとに辛い・・・

 

ですが、

 

泣きたくなるのも『親の課題』

 

笑えないのも『親の課題』

 

『克服すべき課題』は『親の課題』なのです。

 

 

 

たとえば子供が

「いじめられてるから行きたくない」

 

そう言ってきた場合、

子供の課題を『共同の課題』にしてほしいという依頼。

 

放っておかずに共同の課題に取り上げます。

 

そして

「話してくれてありがとう。」

 

親を信頼し、勇気をだして話してくれたことにまず感謝を伝えましょう。

 

それから子供の話に口を出さず、話を聴き相談にのりましょう。

 

 

 

たとえば子供が

「うるさい、だまれ!」

 

そう言ってきた場合、

子供は課題を『共同の課題』にする気がないので子供の課題のまま。

 

逆に

親の課題を『共同の課題にしたくない』、取りあげないと断っているサインです。

 

子供の課題に口を出さず、まずは勇気をもってご自身の課題に注目しましょう。

 

 

 

 

『課題の分離』まとめ

 

課題を分離することで

・『自分の課題』か『相手の課題』かが明確になる

 

・明確になることで自分の課題に素早く取り組むことができる

 

・時間に余裕ができ、有意義に過ごす時間が持てる

 

・対人関係に弊害が起きず、気持ちにゆとりができる

 

 

でした。

 

 

 

前回のお話はこちら

右矢印親と子の課題の分離②6つの弊害

 

前回のおはなし、

 

『自分の課題』と『他人の課題』がごちゃ混ぜになった状態では

 

対人関係に悩み、将来までにも影響を及ぼす

 

というアドラーの理論でした。

 

 

親子関係だけではなく社会に出ても役立つ課題の分離。

 

 

今回は相手の課題に首を突っ込み関わろうとするとどうなるのか、アドラー心理学の子育て論に基づいた弊害をお伝えします。

 

 

 

相手の課題に踏みこむ弊害

 

 

親子に関わらず他者の課題に口を出すとこんな弊害が生じます。

 

①自信を失わせてしまう

②相手の能力を伸ばせなくなる

③問題を解決しようとしなくなる

④感情的に傷つけられ反抗的、攻撃的になる

⑤依存的になって責任を押しつけようとする

⑥自分自身が忙しくなり悩まされる

 

 

子供が親に指示的に口を出されると、子供はその方法で解決しようとします。

 

 

それが繰り返されると、解決方法は親が指示してくれるもの、問題は親が解決してくれるものと思い、自分で解決しようとはせず親の指示を待つようになります。

 

 

成長するにつれ、意に反するような口出しをすると逆らうような反抗的態度や言葉で返すようになり、関係が悪くなったりギクシャクしだします。

 

 

だんだんと自分のやり方で解決したいと思うようになり、たとえ助言や好意であったとしても命令されたと受け取り、攻撃的な態度で抵抗しようとします。

 

 

 

 

 

 

こんな経験ありませんか?

 

職場で、

 

「手伝いましょうか?」と声をかけ

 

「ありがとう(^^)」

 

といってくれてたのが、いつの間にかやってもらってあたり前。

 

だんだん何だか態度がおかしくなって

 

「あなたがやってあたり前」

 

なんなら「あんたがやれば?」の態度。

 

やらされてる感、感じだしてきたころに

 

「あなたのせいでこんな目にあった。どうしてくれる? 責任とって!」

 

となって最後に

 

「手伝わなければよかった」

 

と後悔して職場にいるのが辛くなるパターン。

 

 

 

大人であれ子供であれ、

他者の課題に踏みこむ行為は、苦痛を引きよせる行動ともいえるのです。

 

 

 

つづく。

 

次回は課題の分離、特別ルール編をお伝えしようと思います。

 

 

前回のお話しはこちら

右矢印親と子の課題の分離①

 

『課題の分離』ってなに?

右矢印アドラー心理学『課題の分離』

 

アドラー心理学では

 

『人間の悩みはすべて対人関係の悩みである』

 

としています。

 

 

しかしながら生きていくにためには人との関りなしで、生きてはいけません。

 

対人関係における悩みごとをスッキリさせ、人生をシンプルに生きるためには

『課題の分離』を行わなければならないと教えています。

 

 

 

 

 

 

やめたくてもやめれない、切っても切れない親と子の対人関係。

 

互いに大切に思うがゆえに土足で相手の境界線に入られ入ろうとし、

 

『自分の課題』と『他人の課題』がごちゃ混ぜになった状態

 

であるから人間関係の悩みはつきものだとアドラーはそう考えます。

 

 


 

 

 

『自分の課題』と『他人の課題』 の定義

 

 

①自分(親)の課題 

自分でコントロールできる部分

最終的な結果が自分にふりかかり、結末は自分が責任を負うこと

 

・夫婦げんか

・仕事が忙しい

・大学へ行かせたい

・イライラする

・嫁姑問題

 

 

②他人(子ども)の課題

自分(親)ではコントロールできない部分

最終的な結果が他人(子供)にふりかかりり、結末は他人(子供)が責任を負うこと

 

・兄弟げんか

・不登校

・勉強しない

・いじめにあう

・友達が少ない

 

 

 

イライラする親は、周囲がどうであれ

自分自身をコントロールできる部分になるので周囲の問題ではなく

『親の課題』

 

 

また、いじめにあう子どもは

子どもに自身に直接ふりかかってくる結果であるので、親がどんなに心配をしても

『子供の課題』

 

ということになるのです。

 

 

 

 

 

 

子どもに何らかの問題が起きたとき、

頼まれもしないのに

 

「私が何とかしてあげなければ」

 

と親は口出し、手を出し、

子どもの代わりに問題を解決してあげようとしてしまいがち。

 

 

 

それがまさに、アドラーがいう

『自分の課題』と『他人の課題』がごちゃ混ぜになった状態

 

になりがちなのです。

 

 

 

そんな状態が親と子の対人関係に悩み、

 

子供の人生、将来にまで大きな影響を与えてしまう

 

というのです。

 

 

 

アドラー心理学の子育て論ではこのように

親と子の課題を分けてみると互いに感情的にならず解決の方法がわかるとされています。

 

 

 

つづく。

 

 

 

 

他者は『あなたの期待』を満たすために生きているのではない

 

 

アドラー心理学 『課題の分離』 の考え方を重視した

嫌われる勇気の著者、岸見一郎氏はアドラー流にそう言います。

 

 

 

 

 

課題の分離とは

 

 

人は他人の人生に干渉しすぎているし、干渉されすぎでもある。

 

他人の人生までが

自分の人生の一部になってしまい

それが思い通りになるようにまで干渉してしまう。

 

 

あらゆる対人関係のトラブルはたいてい、

 

他者の課題に土足で踏み込み

自分の課題に土足で踏み込まれることによって引き起こされるのです。

 

 

 

そこで、

 

これはいったい

誰の課題なのか?

 

という視点に着目し、

 

『自分の課題』と『他者の課題』とを分離するのです。

 

 

 

著書の中ではこう例えています。

 

馬を水辺に連れて行くところまでの努力はするでしょう。

 

しかし、そこで「水を飲むか飲まないか」はその人の課題なのです。

 

 

幸せになる勇気には、嫌われる勇気も含まれます。

 

その勇気を持ち得たとき、あなたの対人関係は一気に変わるでしょう、と。

 

 

「アドラー心理学」とは、ユングやフロイトと共に

『心理学の3大巨頭』

と称されるアルフレッド・アドラー(1870-1937)が築き上げた心理学のこと。
 

欧米では、「個人心理学」と呼ばれていますが、日本では「個人」と言うと「社会」と対比した個人のための心理学のニュアンスが強いので

「アドラー心理学」で通っています。



アドラー心理学の基本的な考え方(理論)は、以下のとおりです。

・人間の行動には目的がある(目的論)
 

・人間を分割できない全体の立場から捉えなければならない(全体論)
 

・人間は、自分流の主観的な意味づけを通して物事を把握する(認知論)
 

・人間のあらゆる行動は 、対人関係である(対人関係論)
 

・人間は、自分の行動を自分で決められる(自己決定性)
 

・人間の生き方には、その人特有のスタイルがある(ライフ・スタイル)
 

 

 

 

 

 

フロイトの心理学は

人間の行動の原因を探り

人間を要素に分けて考え

環境の影響を免れることができない存在としてみなしますが

 

アドラーは伝統的な科学思想を離れて、

人間にこそふさわしい理論構築

をした最初の心理学者です。



ダイヤグリーン勇気づけ

アドラー心理学では、技法面での「勇気づけ」を重視します。

現代のさまざまな問題行動の背後には、勇気をくじかれた状態が見え隠れしています。
 

勇気があれば、1998年からの14年間で毎年自殺者数が3万人を超え続けることもなかったであろうし、人間関係が破壊的になるはずがないとも考えられます。
 

子ども達の問題行動の背後にも勇気の欠如が見られているので、あらゆる分野で勇気づけが必要とされています。



ダイヤグリーン共同体感覚

アドラー心理学では、「共同体感覚」という価値観を大切にします。
「共同体感覚」というのは、共同体への所属感・ 共感・信頼感・貢献感を総称したもので、

カウンセリングや教育の目標とされ、精神的な健康のバロメーターとみなされます。
 

一方、自分の居場所がなく、自分のことしか考えず、周囲の人達を信頼せず、他者の役に

立とうなどと毛頭考えない人は、精神的に不健康な可能性が高いといえます。
 

 

引用元はこちらです。