私はケアマネとして医者を選ぶ | ケアマネ時々卓球、時々その他

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仕事は介護、プライベートでは卓球を中心に、その他もろもろ思いつくままに書いてみます。テキトーな独り言です。

 

 

 

ここ数年、在宅医療のクリニック・訪問看護ステーションが増えている。それは病院勤めが嫌なのか、在宅医療に志を持っているのかは知らないが。

 

ただ、医者というだけでダメな奴もいる。

 

一例を挙げる。

80歳女性。一人暮らし、3F建て一軒家。認知症。

キーパーソンは同区に住むいとこ。

性格的に相手が傷つく事でも平気で言う人(本人に悪気はなく、いってしまえばすっきりするという)なので、親族は誰も近寄らなくなってしまった。

認知症の症状から日常生活にも支障が出てきており、在宅生活は困難。施設入所を勧め、本人も同じ心配を繰り返しながら徐々に承諾してきた途中であった。

医療についてはクリニックに通院していたが、通院付き添いなどが困難であることから在宅医療「Tクリニック」に依頼。

しかしある時、いつも開いている家のドアの鍵が開いていないとヘルパーから連絡。いとこに連絡し、家に入るとベッドに座ってぼーっつとしている。

医師に連絡。到着後すぐに診察。仙骨部に褥瘡をみつける。

 

今後どうするかという事になるが、在宅でのケアは困難。いとこも面倒は見ないという。

そこで入院を提案するも、医者は「この程度では入院できない」と。挙句の果てに「ケアマネなら分かるでしょ?」「やっぱりショートステイかな」ともいう。

その医師は最終的にはクリニックの相談員に入院先を探させるとし、その利用者に「あなたはもう一人暮らしは出来ないからね」と言い放つ始末。

 

結果、そのクリニックの相談員の奔走で療養病棟への入院が決定。入院後すぐに褥瘡が悪化し、熱発などが起きる。

 

後日談になるが、症状が改善した後、有料老人ホームへの入所となる。

 

ここでのポイントであるが、確かに入院できるかは微妙なラインではあった。しかし相談員の奔走で入院できたこと、褥瘡のリスクを考えれば、入院という選択肢を一番にとれなかったという事、在宅にいるならしなければならない方法が示されなかったこと。更には自分からは動かないで、ケアマネや相談員が環境を整えるならそれでもいいという姿勢は、今後依頼することは無いと思わせるのに十分だった。

 

はやり、利用者や家族が助かったとなるサービスを提供したいと思う。この利用者には悪い事をしてしまった反省はあるが、こうしたことが無いように、私はケアマネとして医者を選ぶ。