- 360度人事評価の正しい取り入れ方―アメリカ企業で成功している/遠藤 仁
- ¥1,890
- Amazon.co.jp
私が会社をスタートする時、一番に気にしたのが人事評価である。
会社員、雇われている方に問いたい。
あなたの会社はどんな使命を持っているのか?
その使命・目標を達成するためにどのような仕事の配分を行っているのか?
あなたは何のために働いているのか?
あなたは正当な評価を受けているか?
これをすべてクリアできている人はどれだけいるだろう。
私も雇われているときはこの問いのほとんどに胸を張って答えられない。
会社の目的でもっともらしいことはあったとしても、結局は役員が儲かれば、我々一般社員はどうでもいいんだろうと思っていた。
特に率先垂範しない上司は嫌いだった。
自分のミスを部下に押し付ける上司が嫌いだった。
部下の提案を横取りして自分の手柄にする上司が嫌いだった。
感情論だけで怒る上司が嫌いだった。
などなど
そうした状況の中でも評価は上司から部下への一方的な評価でほとんどの会社が済まされているのではないだろうか。
しかし、評価する能力のない上司だったら?
好き嫌いの感情で評価する上司だったら?
そうなると高い評価を受けるためには上司に媚を売って、「会社のために頑張ってます!」と声高らかに宣言して、上司が喜びそうなことをするしか自分の評価を上げるしかない。
そうして自分を殺し、社畜としての生き方を強いられている人のなんと多いことか。
時にはする必要のない犠牲を強いられ、会社なんてそんなもんだよとあきらめている人のなんと多いことか。
逆にそういう生き方のほうが向いているという人もいる。
言われたことをやっていればいい。そのほうが楽。責任持つなんて自分はやりたくない。
しかし、その生き方を私はできなかった。
だから自分で会社を興した時、全員が納得いく評価方法を探して見つかったのがこの本である。
本来評価は一方通行のものではない。
上司が部下を評価するのと同様、上司も部下から評価されるべきである。
同時に顧客からも、同僚からも、意見を徴収すべきである。
そうなると数字に出る部分でない部分両面でその人の良い面、悪い面が見える。そうでなければ的を得た社員教育なんてできないのだ。
会社はただ、売り上げを伸ばせばいいというものではない。
人の生活を守るという責任を負っていることも理解してほしい。
社員教育だって、講師の話を聞いていればいいってもんじゃない。
その話を聞いて、自分の足りなかったところを埋めるものでなければ馬の耳に念仏である。
あなたは「~という会社で、~の仕事をしています!頑張ってます!」と胸を張って言えるだろうか。
もし言えないという人がいるのであれば、この評価の知識は一石を投じるものになるかもしれない。