自閉症児を捜して大捜索 | カイとわたしの場合~オーストラリアx自閉症xシンプルライフ

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高校生になった自閉症児カイと、シングルマザーのわたし。オーストラリアはメルボルンにて、ふたり暮らし。そんな私たちの毎日を綴っています。

山の中でブッシュウォーキング中に、家族と離れて行方不明になってしまった自閉症の少年ウィル。
 
カイの元クラスメイトで、ご両親のことも知っているので、いなくなったと知ってからは心配で気が気ではありませんでした。
 
 
 
ウィルは、ノンバーバル(Non Verbal)で、名前を呼んでも返事をしません。
そしてすごくエネルギッシュで、短い時間でも遠くまで行ってしまっている可能性がある。
 
だから、今回の捜索もウィルの特性に合わせてかなりユニークな方法で行われました。
 
食べ物を探すためにどこかの民家に入り込む可能性もあるということで、近隣の住民にもウィルを見つけるために色々な情報が提供されました。
 
今回言われていた、ウィル捜索のために提供されていた情報。
 
 
●機関車トーマスが好きなので、トーマスの歌を流してみて。
 
●食べ物に興味があるので、人の家に勝手に入って食べ物を探すかもしれない。
 もしくはベッドを見つけたら入って眠ろうとするかもしれない。寝室や納屋などをチェックしてみて。
 
●寝る時は家の外の電気をつけっぱなしにしておいて。
 
●家の前に毛布やベジマイトサンドイッチなどを置いておいて。ウィルが見つけるかも知れない。
 
●もし発見したら、大声を出さないで、ゆっくり優しく語りかけて。ウィルは触られるのは好きじゃない。
 
●BBQの玉ねぎとベーコンが大好きなので、出来たら庭先でBBQして。匂いでウィルが来るかも!
 
 
こんな工夫がなされて、地域の人も協力してくれていたようです。
 
皆、自閉症でノンバーバルと言うことは、何に気を付けないといけないか、どんな可能性があるか。
ちゃんと警察からの説明を聞いてその通りに準備してくれたんですね。
 
警察も実際に一軒一軒ドアをノックして訪ねていたようですが、2晩経ってもウィルは見つからず・・・
 
 
居なくなって3日目の水曜日、お母さんのペニーがインタビューに答えてウィルの好きなもの、見つけた場合のアプローチの仕方、多分靴は履いていないだろうこと、などをしっかりと伝えていました。
 
 
私はインタビュー観ながら号泣。
辛いだろうに・・・でも希望を捨てずに、前向きにウィルが戻ってくると信じているペニーの姿に、私の方が涙腺崩壊でした。
 
 
 
そしてペニーのインタビューの後少しして、ウィルが無事見つかったという速報が!!!
 
私また号泣。
 
 
 
発見したのは、地元のボランティアで、この山を子供の頃からよく知っているというベンさん。

 
 
すごく穏やか~な感じの人で、彼は他の捜索隊がすでにチェックしたというエリアを確認して、そこより少し奥に進んでみることに。
 
そこで、ウィルを見つけたそうです。
 
ウィルはそこに佇んでいて、天使みたいに見えたと言ってました。
 
トーマス好きなウィルにディーゼルの話をして、裸足だったので靴下を履かせてあげて、ジャケットを着せ、チョコレートをあげて、家族の元に連れ帰ってくれました。
 
 
映像で観ると分かると思いますが、今回の山はかなり木も多く茂みも深かった。
 
5年前のルーク君のようにヘリから探すことは難しかったと思います。
 
山を良く知っているベンさんが、徒歩で奥の方まで行ってくれたから見つけられたんですね
 
 
そして、ちゃんとペニーたちからの情報を元に、ウィルに合った方法でアプロ―チしてくれた。
だからウィルも怖がらずにベンさんと一緒に行けたんだと思います。
 
インタビューで、ウィルの義理のお父さんが、ウィルは触られるのが好きじゃないから、ベンに抱っこされたということ自体がすごいことと言っていました。
 
 
 
ベンさんは、「たまたま自分が発見する役だったけど、それは、これまで他の人が捜した場所を記録してくれていたから。だからそこ以外を捜そうと思った。ウィルは皆で発見したんだ」と言っていました。
 
 
500人近くの人が、ひとりの自閉症の少年を丸2日間昼も夜も探してくれて・・・
 
そして、トーマスの曲を流したり、色んな工夫もしてくれて。
 
 
やっぱりこういう時って、オーストラリアは温かい国だなって思います。
 
ウィルは大きな怪我もなく、元気そうな様子が紹介されてました。
 
 
 
 
本当に、本当に良かった。