先日母から電話があり、どういう話の流れだったかは覚えていないけれど
「姉妹2人なんだし仲良くやって行ってね」と言われた。
「出来るかわからないなぁ…」
そう答えたら、
「どうして?何かあったの?」
と聞かれ、唖然とした。
私と妹との間に起きたことを
まさか忘れてしまったの?!
驚いて、溜息とも何ともつかない大きな息を吐いた。
「…忘れちゃったのかなぁ??」
と、責めるように問う声が思わず震えた。
やはりその程度か。
私にとっては人生で最も痛みを味わった大事件だったのだけど、どれほどの傷を抱えて私が生きる羽目になったかなんて、この人は想像もしていないのだな…。
結論から言えば、母は何があったかを覚えていない訳ではなかった。
しかし私が伝えるまでそれを
"すっかり忘れていた"のだ。
そんなのよくよく考えてみれば余裕で想定内だったのに。
思わず動揺してしまうなんて、私はまだまだこの母親への期待を捨て切れていなかったのだ。
すっかりなかったことにされていた一連の出来事だが、実はまだ決着がついていない。
私と妹2人だけの問題ではないからだ。
母との電話をきっかけに、私が妹に抱く恨みの根本について考えていたことを思い出した。
きっと無意識のうちに私は、まだ終わらせたくないと思っているのだ。
こんなにも苦しいのに、なのに終わらせてなるものか!と、自ら遺恨を握りしめているのだ。
それは何故か?
私が味わったこの悲しみをなかったことにされたくない!!
なんでお前たちは自分の罪を忘れてのうのうと生きているのだ?!
私をこれほど傷つけておいて、なんで全くなかったことのようにしてやがるんだ?!
そんな怒りを胸の奥底に抱き続けているからだ。
見ない振りをしているのは私なのに。
なかったことにしたいのは、本当は私なのに。
自分が目を背けているのだから相手も同じようにするだろう。
私がなかったことにしようとしているから、相手もきっとそうするのだろう。
それなのに、
お前たちは自分の罪をなかったことにするなよ!!
と怒りを感じるこのものすごい矛盾を、一体どうすれば良いだろう…
なかったことにしないでよ!
と、本当は私が私に向かって言いたいのかも知れない。
もう見ない振りは止めてくれと。
いい加減腹を括って向き合えと。
どう一歩を踏み出そうか…?