ボリビア旅行を終えて | My American Life

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My life in New York City, things I see, things I like, things I notice, things that interest me.


今回の旅行の中でも一番体力的にキツかった最後の2泊3日。

富士山頂よりもずっとずっと高い標高。

ラパスーウユニ間の移動を含め、乾燥と低酸素、

強い紫外線と低気圧で、体中カッサカサ、砂埃で髪はゴワゴワ。

陸路移動距離は実に軽く2000㌔。

でも、嫌な思いや怖い思いは1度もせず、車がパンク、

故障する事もなく、川が反乱して通れなかったり、

眠れない程の寒さや高山病に悩まされる事もなく、

自然の産み出す美しさを心から満喫した旅行になりました。


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1台のランドクルーザーに何もかも詰め込んで、

ドライバーさんがガイドさん、コックさん、車の修理屋さん、

エンターテイナーまでもを一人で兼任。

出発前、予備タイヤと大きなジェリカンを2つ積み上げる所を見た時、

「すごい所に行くんだ・・・><」と実感した私。

ガイドさんに「こんなにガソリン必要?」って聞いたら、

「ここからダイレクトに行くと無給油期間が400キロ位あるんだ」 

・・・ひょえー!!・・・そんな旅の始まり。



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標高4,855m




終始笑顔で大好きだった私達のガイドさん。彼と出会えた事で、この旅がより実り多いものになりました。今思うと、この人に出会わなければボリビアという国をさほど理解することもなく、ひとつの旅行として終えていたかもしれません。ていうか、出会った人達みんな、本当にいい人だった!


見るものすべてが美しく、とても楽しい旅行だった反面、南米で最も貧しい国といわれているこの国で考えることも多かった。ラパスで見かけた靴磨きの少年達・・何故か顔全体をを黒いニット帽で隠し、目だけ出した出で立ちで、10分程白人紳士の革靴を一生懸命程磨いて1Bs(10円位)。手は真っ黒。ほんの一部のお金持ち(白人)と大多数の貧しい人が混在するこの国の現実。

総菜パンを焼いて来て売る女性達。売り子はどこにでもいる。正直、あまり気にしてませんでした。「セニョリータ!ボリビアの朝食、食べてみて」と言われ、うーん、と迷い、通りすがろうとすると着いてくる。あまりにひつこいので、彼が「よし、食べてみる」と言った時、彼女からこぼれた笑顔。その時、彼女達が必死で生きている事を、たいして希望がないにもかかわらず、ひたすら頑張っていることを理解しました。どうにかして生きて行かなきゃならない現実と向かい合って毎日を送っている、生きるということをこんなに身近に感じることはなかなかありません。こんな現実を目の当たりにすると、私は何だって出来る気さえします。

国連の報告書によると、ボリビアは今も520万人が劣悪な環境に住み、270万人が極貧の状態で生きているそうです。また4分の1が小学校を終えず、2分の1が高校を卒業せず、そして1万4千人が1歳の誕生日を迎えずに死亡している現実。

私は父の仕事の都合で子供の頃に途上国での生活を経験したせいか、父親が何十年も途上国を行き来しているせいか、ODAや開発途上国への関心は人一倍あって、でも。ボリビアの労働環境や貧困は私が経験したそれよりもずっと深刻だった。


・・・ボリビアにはまともな指導者がいないんだ。政府が幼稚。政治がめちゃくちゃで、経済にも一向に光は見えてこない。こんな状態で生まれてくる子供達の将来・・・問題はいっぱい。今も独裁、政治腐敗、汚職、デモ、インフレ、貧困、常に不安定。国民自体、目先の現金収入が先だから、この国の未来について何も考えられない。ここには世界有数の鉱山もあるし、石油や天然ガスも出るし、ウユニは埋蔵量が全世界の半分というリチウムの宝庫だし、もっと豊かな国であってもいいはずなのに、全く反映されていない。観光資源も豊富なのに、それを管理して、職を作って、って国民に反映出来てないから、どんどん外国に利権を持っていかれてしまっている・・・。



最後の夜、みんなでボリビアワインを飲みながら、ガイドさんからそんな話を聞きました。ボリビアという国が抱える問題や、この国の素晴らしさについて、外に住んでいる私達が全く知らなかったこと・・・そして最近になってやっと国民も色々なことに気づき初めていて、新たな資源の天然ガスの扱いを巡って富裕層と貧困層の対立、政府と貧困層の対立が激化し、しょっちゅうデモやらストやらが起きていること、など。


そして、自由に海外に出られることがうらやましい、と言われた時には思わずはっとさせられました。たまたまボリビアという国に生まれただけでそんな生活を強いられ、たまたま先進国に生まれたから海外旅行ができる。それが単純に現実と言われてもやりきれない。特に、ある程度勉強してガイドになった彼のように、外国人旅行者を目の当たりにして、自分の状況を客観的に捉えられる人達にとっては、現実がなおさら辛く感じられるのかもしれません。そしてしばらく話をした後、私達外国人とこんな話が出来る事も嬉しいと笑ってくれました。


この国では、鉱山など命を落としかねない危険で劣悪な環境での仕事でも職を求め、低賃金で働く一方で、先進国には働く意欲もなく、働かずにも暮らして行ける若者が溢れているという現実。でもこうやって、観光国として人気が出てきた今、先進国のそういう若者もこの現実を少なからず直視する機会が出来ることで、彼らの気持ちの持ち方も変わるんじゃないかな・・・甘いかな?でも少なくても、私達は感じるものがありました。

最後の日の朝に寄った温泉で、日本のODA(政府開発無償援助)の贈呈碑を見かけて、こんな所にも協力の手が届いてるんだと思い嬉しくなりました。この国で今も活動するJICAやボランティアの協力が上手く彼らの生活に反映されて、精神的にも物質的にもバランスよく豊かになれる日が1日も早くくればいいな、と思うばかりです。


・・何だか変に長くなってしまいまったので、切り替えます。笑




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航空券だけで飛んで行き、

それなりに考えて現地で予定を組んだので

「大変じゃなかった」と言ったら嘘になる・・・

過酷なボリビア・アンデス。

昼は半袖でも暑くて、夜は持ってる服を全て着ても寒かった。

そして私達が降り立ったシビアな大地こそ

今辿り着かなきゃいけない場所だったのかもしれません。

行って良かった・・・。

本当に全てが絶景。全てが異世界。

ウユニ塩湖も素晴らしかったけど、その先の世界も負けてなかった。

赤の湖、緑の湖、白の湖、ラグーナ・ヴェルデ・・・


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でもやっぱり、ウユニ塩湖の鏡面世界は格別。

何かがズレていたらこの日は無かった。



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あまりに美しくて、

でもそれが現実だと信じられない不思議な感覚。



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「行きたい、行きたい」言っていた私の願いを叶えてくれた彼にも感謝の気持ちでいっぱいです。そしてこの旅程をふたりで体験出来たことが何よりの宝物。



そして今回、初めての南米上陸でついに世界6大陸制覇!お互い旅行好きなので、お金と時間に余裕があれば積極的に旅をしてきたけれど、社会人になってからは毎日に忙殺されて、旅が遠のいていた、けどやっぱり、旅っていいなーーー 改めて。これからもずっとお互いが良い旅のパートナーでいられますように。sao☆



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