父親が突然脳出血で亡くなり
入院になったＨさんについて
Hさんは30代で知的障がい
一見普通だが強度行動障害があり
強制入院になったことが何度かある
～強度行動障害について最後に書きます～
例えば
入所しているホームの
世話人に対する暴言や暴力
脱走して行方不明になる
女の子への強い執着
でも全部過去のこと！
ここ最近はすごく
穏やかだったんですよ
それでも
やらかした過去があるから？
父親の死をすぐに知らされなかった
入院体制を整えた後
主治医から聞かされたのは３日後
もし病床が空いてなければ
最悪お葬式が済んでから
知らされることになっていた
ひとりの人間として
親を見送るということを
経験させるのも支援なのでは…
と思ったけれど
キーパーソンの人から
衝動的な自殺の可能性も否めない
ホームでは他の入居者もいるし
24時間の付き添いは無理
と言われた
それを言われると…
――――
皆の心配をよそに
Hさんは父親を見送ることができた
幼少期に母親が家を出てから
父親と2人で過ごしてきた
また60歳でバリバリ働いていた
お父さん
毎月数回はＨさんを迎えに来て
一緒に過ごしていたし
この春は初の父子旅行にも成功した
お父さんボク助けてあげられなくて
ごめんなさい
お父さんに聴かせたい曲があったんだ
トランプの本も買ったんだ
聴けないの
見えないの
どうしたらいいの
お父さん旅行楽しかったね
お父さん乃木坂のCDとか写真集
買ってくれてありがとう
お父さんお父さん…
ボクこれからどうしたらいいの
喪服スーツのHさんが
大声で話しかける声が響いていた
その姿は
光に包まれていた
最後に泣き崩れたけど
立ち上がりこう言った
お父さんボク
みんなに助けてもらって
生きていく‼
あまりにも純粋で勇敢で
本当に本当に眩しかった
私が発するどんな言葉も
邪念が混ざるような気がして
頭を下げるしかなかった
いつも教えられています
ありがとうございます
ただね…
頑張りすぎは明らかなのです
これからが本番なのです
今は主治医を信頼して
睡眠と栄養とって
体を整えてほしいと願います
～強度行動障害について～
生まれつきの行動の障害ではなく
周辺環境が原因で起こります
「コミュニケーションが苦手」
「強いこだわり」「衝動性」
「感覚が過敏」などの障がい特性と
周囲の無理解や不適切な関わりが
うまくかみ合わずに起こります
適切な行動を身につける力があるのに
未学習で育ったため自分の気持ちの
伝え方がわからないだけなのです
最後までお読み下さり
ありがとうございました
