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警察の初動は早く、辺り一帯の徹底した捜索が開始された。
深夜、警察犬2頭を使っての捜査も行われ、近所の主婦・奥村が2人を目撃した酒屋前の道路が起点となった。
一昨日の朝まで着ていた2人のパジャマの匂いを記憶させると、2頭のシェパードは捜査官をぐいぐいと引っ張り、海の方向へと向かって行った。
ところが、右折すれば海岸へ、左に曲がれば80メートルで沢村家、というT字路の角で警察犬は歩みを止めた。
2頭のシェパードはグルグルとT字路の角一帯を彷徨い、それ以上進もうとはしない。
捜査員が少し離れた位置に犬を連れて行っても、すぐにT字路の角に戻ってきてしまった。


・・・・・つまり、匂いがそこで消失していたことになる

一方、出麹は美穂の絵画教室から沢村家までの道を、ゆっくりと歩いてみた。

日曜の夜と月曜の夜という違いこそあれ、人通りは少なかった。

時刻は沢村と美穂が失踪したと思われる18時前後である。

 
「思ったよりも人が少なく、暗い・・・・・有力な目撃情報が出るかどうか・・・・・」


裕美子の言うとおり、絵画教室を出て徒歩20分程で沢村家に着いた。

なお出麹はゆっくりと周囲を見渡しながら歩いたので、実際の所要時間はもう少し短縮されるやもしれない。

3度の曲がり角と、郵便局や駄菓子屋、そして例の酒屋が途中で点在するだけで、道程はいたって普通であった。


・・・・・なぜこんな道で、人が二人も消えるのか


その後、出麹は捜査員数人より有力情報が出ていないことを確認をすると、畑山のアパートへ向かった。

出麹は先程対峙した母親と息子の瞳が頭から離れなかった。



・・・・・ナゼカ、ナゼナノカミツカルキガ、シナイ・・・・・