2012年という、今から干支一回り昔に放送され、韓国ではシンドロームを巻き起こした『ミセン』をBS Japanext の韓ドラ放送枠(韓ドラプライム)で見ることができました。
きっかけは『六龍が飛ぶ』のピョン・ヨハン氏が出ていたこと。
『六龍…』の方がもちろん後なんだけれど、彼の出た作品のレビューを読むと、必ずと言っていいほどいつも『ミセン』の名前が出てきていたので。
しかも『六龍…』で見せたニヒルな剣士イ・バンジとはもう180度違う「C調おちゃらけ男」とのことだったので、出てくるのを楽しみにしていました。
しかしだな。
もう開けてびっくり!
この『ミセン』はこれまで見た韓ドラ(時代劇じゃない部門)で、私の中では「これは絶対見てよかった韓ドラ(現代もの)1位になる!」と断定できる作品となりましたよ、ええ!
マジ見てよかった!
お話は申し訳ないけど、Wikiやら他の方のブログやら公式やらをぜひ。
大きな大きな商社が舞台の、一人の青年の物語…と思いきや、もちろんそこでの話を軸に社内政治あり、パワハラセクハラいじめ新入社員の苦悩どっさり、恋愛要素ほぼほぼなし…の、ある意味見ててやりきれない気持ちになることや胸を痛めることも多いんだけど、それを超えて本当に本当に素晴らしいドラマでした。
主役チャン・グレのイム・シワン君をはじめ、彼にかかわる中でも一番大きなウェイトを占める第2の主役 オ・サンシク課長(物語後半は次長)のイ・ソンミンさん。
そして同じ営業3課のキム代理役のキム・デミョンさんとチョン課長役パク・ヘジュンさん。グレの同期3人、アン・ヨンイ役のカン・ソラさん、チャン・ベッキ役のカン・ハヌルさん、ハン・ソンニュル役のピョン・ヨハンさん。
そこに彼らの直属の上司や会社の部長やら専務やらが絡んで、ジェットコースターのようなテレビ版34話をあっという間に見終わりました。
お仕事ドラマですよ。
一人の、社会からこぼれた青年を軸にした。
けれども、毎回こんなに深いストーリーとメッセージを持ち、心を打つ韓国ドラマは見たことがない。。。(はい、そんなに胸張って言えるほど韓国ドラマを見てないっつーの!)
でも、これを超えるドラマにはもしかしたら出会えないんじゃないかぐらい思っている次第ですよ。
そして『ミセン』のすべてから受け取ったメッセージをうまく書けるほどの才能もないので、今回は私の好きな俳優さんがらみでのお話を。
『ヘチ ~王座への道』(2019年)
イ・ギョンヨンさん(チェ専務役)とキム・ジョンスさん(キム営業部長役)
すまぬな、時代劇のおじさん役者フェチの好みがもろに出て(笑)。
イ・ギョンヨンさんは『ヘチ』ではチョン・イルさんの英祖に信念をもって対立し、敗れるけれど、のちに英祖の信念に従って生きる道を見守る老論(ノロン)派の長 ミン・ジノンを好演した方。
物静かでいつも微笑みをたたえていて、それが何を考えているかわからない怖さや強かさを表していて、そんな彼の持ち味が大企業でトップの座をひそかに狙うチェ専務という役にぴったりで、出てくるたびに「ミン・ジノンだ~」と思いながら見ていました。
キム・ジョンスさんも時代劇ではめちゃくちゃおなじみ。
『ミセン』と『ヘチ』の間に『六龍が飛ぶ』にも出ていらして、私の見たどの作品でも、彼は時代の流れを見ながら保身と信念の間で揺れ動き敗れていく役で(笑)。
現代劇に出ているのをはじめて見たけれどスマートでメチャできる部長さんで、よく怒鳴るけれど愛情のある役で素敵でした。惚れ直し~。
『ヘチ』ではそれぞれ政争に敗れて宮廷を去っていくんだけど、『ミセン』でもそれぞれ大きな戦いに敗れて左遷されていくので、「『ヘチ』や~」と思いながら見ていた私の時代劇脳(笑)。
ちなみにキム部長は最後の最後にめちゃくちゃ救われてて、ホッとした。
オ・サンシクよくやった!
『太王四神記』(2007年)
大好きなチュムチ&タルビコンビのタルビ役 シン・ウンジョンさんが出ていたのもうれしかったです~。
最初の登場シーンは分からなかったけど、よく見たらちゃんとオープニングで主要キャストにでてるじゃん!
相変わらず好きなお顔立ちです~。
ちょっと仄暗いタルビの印象が強かったけど、私は彼女のソン次長みたいなお役の方が好き~。
アン・ヨンイや同期のオ次長、チャン・グレのために力を尽くしてくれる優しさ、働く女性を代表するようなお役をやってくれたことが、嬉しかったです。てかもうかっこいいしかない!
ちなみに彼女が過労とストレスで倒れて、彼女の進める事業がとん挫しそうになったときに、オ次長と新人4人がホテルで缶詰めになりながら事業報告を引き継いでいくとこ、4人の無邪気に眠る姿も含めて大好きなシーンでしたよ。
「どうしても言っておきたい2つのこと ~上も上でいろいろあるんだよ」
新人4人…といってもチャン・グレ君は何気に営業3課に役立ち好かれていくけれど、他の3人はなかなか大変な毎日でありました。
全て直属の上司関係なのだなコレが。
どう考えてもアン・ヨンイちゃんは女ながらに理不尽かまされているけれど、チャン・ベッキ君はプライドの高さが邪魔するし、ハン・ソンニュル君もあきらかにいじめにあって迷走しているし、ほんとにここは(カン代理を除いて)あたおか?トンデモナイ上司しかおらんのかという感じでございます。
で彼らを悩ます指導役の直属上司が全員同期ってのが、面白かったなと。
物語後半、キム代理の同期の海外赴任が決まり、その同期でのお祝いの席でオ次長がしたことに対しての罵倒が始まり、キム代理が「オ次長の素晴らしさがお前らにわかるのか?!」と荒れるところがあるんだけど、結局飲みすぎて意識を失ったキム代理と同期全員がホテルの1室に泊まることになった場面。
いつもヨンイを下に見ていた(このころは少し優しくなっていたけど)ハ代理(チョン・ソクホさん)や、ソンニュルをいじめてても上司には調子のいいソン代理(テ・イノさん)も「俺たち入ったころはいつもあんなに仲良かったのに、遠くまで来ちゃったなあ」的なことでしみじみしてて、ああ、彼らにも今の新人君たちと同じ時代があったのねと今更ながら気づきました。
(チョン・ソクホさんもテ・イノさんもドラマが終わった後イメージついて大変だったんじゃないかと思うほど、嫌なヤツを好演していました)
いつも冷静で隙のないカン代理も、なんだかんだ言いながらも一緒に泊まっているところがミソ(笑)。でも絶対彼らと一緒のベッドでは寝ない!(笑)
カン代理とチャン・ベッキ君は似てる!!似てるよ君たち!!
だからこそカン代理はベッキ君に「同じ轍は踏ませない」ようにしていてくれたのかなとも考えてしまいました。
出てくる人のほとんどが思いや愛情を持っているのがわかるのも、それを言葉にしないで映像やセリフや役者さんの演技に託してくれるのもこのドラマらしさ。だからすごい。
あとこの同期同士でいわせてもらうと、これも物語後半。
業務改善で監査が入るシーンで女性二人がエレベーターから降りてくるシーン。
エレベーターで財務部に行こうとしていたカン代理と乗り合わせようとしたハ代理が、その女性二人がエレベーターから降りてくると無言でその二人の後を追って、営業部についていくんですよ。カン代理と同行していたベッキ君は「あ…あれ?カン代理!上に行くのでは?」と後をついていくのだけど、そこにはナイスバデーな二人の女性監査を遠巻きに見ているハ代理とカン代理(笑)。
ニヤニヤしながら2人を見るハ代理はともかく、カン代理は一切表情を変えずに見入っていてめっちゃくちゃ笑った!!やだカン代理ただのむっつりス…。ゴホゴホ。
その後の休憩室でのやりとりも、ヨンイちゃんの返しも含めてドラマ史上最高に笑えるシーンになりました。
笑いすぎておなか痛かった。最後まで見てきたファンへのご褒美シーンでもあったかも。
ちなみにカン代理役のオ・ミンソクさん。いま見ている『ヒョンジェは美しい』(『緑豆の花』のユン・シユン君主演)でも3兄弟の長男として出ているので、楽しみに見ます!
長々と書いてしまいましたが、このドラマはもう名言だらけなので、いつかそれも書きたい!
再放送あったらきっと見てしまうだろうし、これもまた何度でも見たくなるドラマ。
出会えてよかった韓ドラがまた一つ。
さて、今日からは私のバイブル『イ・サン』が始まります!
もちろんまた見ますよ~!