人に対する懸念を

少しずつ緩めてみよう。

 

恐れなければならないほどの

高尚な人などいない。

 

誰に対しても

高貴な人などと思いこまないように。

 

そうでないと

自分の心が畏縮してしまうからだ。

 

いったん話をしてみれば

その偉大さは錯覚だったことがわかるだろう。

 

誰でも生身の人間で

それぞれ欠陥もあれば言い訳もする。

 

人情味にかける人もいれば

勇気が足りない人もいる。

 

高い地位の人は

優れているようにめても

実質が伴っている人はめったにいないもの。

 

冷静に判断して

その思い違いが解ければ

このような人に対しても

節度を保って大胆に対話できる。

 

 

 

 

バルタザール・グラシアンの『賢人の知恵』より

~正しく生きるな、賢く生きよ~