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私の体はかなり丈夫で、かなり無理もできる。

精神的にも忍耐強く我慢強い部類だと思う。

 

一卵性双胎の妊娠生活は

出産の2ヵ月前まですこぶる順調で、

派遣社員として働き続け、

所属していたNGOでも

ボランティア活動を続けていた。

心配されていた早産の気配もなく、

希望していた経膣分娩が可能であった。

 

 

しかし、出産の2ヵ月前から

だんだんと身体がしんどくなってくる。

血圧は168/98(妊娠初期は111/76)

浮腫は+4

尿蛋白は+4

足の浮腫みは酷くて妊娠前の3~4倍浮膨れ上がって最後には履ける靴がなくなるくらい。

腹囲は107cm

腰痛が酷くて、座っていても横になっていても痛いし苦しくてどうしていいのかわからない状態。

熟睡できず、まともに眠れない。

 

さすがのわたしでもこの状態はかなり危険で

ギリギリだと感じていた。

 

 

それでも、娘たちはお腹の中でしっかりと

育ってくれて、

まさかの出産予定日ピッタリに経膣分娩で

五体満足・健康で産まれてくれた。

2614gと2460g

身長155cmの私の小柄の体では、

これ以上ないくらい育ってくれた。

 

 

しかし、出産してからはもっと過酷だった。

転勤族の私たちに両家の手伝いは

ほとんどなかった。

頼りの母はフランスにピアノのレッスンを受けに行っていた。

主人が仕事に行っている間は

全てを一人でこなさなければならない。

 

 

出産前からかなりひどい状態であった体を

十分に回復することなく、

双子の授乳と世話と日々の家事に追われた。

夜は交互に泣いて授乳して

ほとんど寝られなかった。

(結局出産後1年くらい連続で3時間以上眠れたことがほとんどなかった)

主人が仕事を終えて帰ってくる夜まで、

ほとんど人としゃべることなく

一人で部屋にこもって

良く泣く娘たちにオロオロして、

疲れ果てていた。

食事も立ち食いで掻き込んでいた。

トイレもお風呂も駆け足。

 

 

そのうち、夜に娘たちの鳴き声で起こされると

ものすごい冷や汗をかいて

心臓がバクバクして

おかしくなった。

 

 

毎日酷く疲れていて、笑顔がなくなった。

 

 

大学の同級生で、

大学3年から付き合い始めて

結婚するまで5年付き合った主人とは

出産前まではほとんど喧嘩することがなかった。

でも、出産してからは私は主人に対して文句ばかり言うようになり、

だんだん罵詈雑言を浴びせるようになった。

 

 

何で私ばかり留学や仕事を諦めて

大嫌いな育児をしなければならないのか。

どんなにつらい状態かお前には決してわからないだろう。

お前もこの苦しみを味わってみろ。

仕事を言い訳にして逃げるな。

私もお前のようにゆっくり寝たい。

週末ぐらい夜の授乳や夜泣き対応をしろ。

お前は最低な男だ。

もっと手伝え。

 

 

そのうちに主人に対して

恨み憎しみでいっぱいになった。

結婚しなければよかった。

主人の言うことを聞かなければよかった。

出産しなければよかった。

いつか離婚してやる。

 

 

我慢して我慢して

でも限界だと思って両親に

「育児が辛くてどうしようもない」

とやっと呟いたら、

「それくらい何とかしなさい。

自分で産んだんだからちゃんとやりなさい。」

と返ってきた。

 

 

私はもっと頑張らなければならないのかと

いよいよもっと壊れた。

心身ともにボロボロになっていった。

 

 

そして、

こんな状態ではとてもじゃないけど子連れ留学はできないと、

合格を手にしていた

Duke University 

Nicholas School of the Environment and Earth Sciences

に入学辞退の手紙を出した。

 

 

私には

夢の実現の一歩手前での強制終了だった。

 

 

その後、娘たちが3ヵ月になった頃、

年末年始を沖縄の実家で過ごすことになった。

やっとゆっくりできる

やっと身体を休められるとホッとした。

だが、

母は忙しいピアノの仕事に加えて、

出身地の北海道から

祖父の死後認知症になった祖母を引き取って

介護をしていた。

母も余裕がなかった。

そんな私たちは何度も酷い喧嘩をし、

酷いことも言われたしされた。

私は母に深く憎悪した。

母のことを考えると吐き気さえした。

そして、そこから5年くらい

自分からは一切連絡を取らず、

母からの電話には出なかったし、

どうしても話さないといけないときは

必要最低限

事務的なことだけだった。

 

 

 

 

自分に優しさを届ける一杯をコーヒー

Rina