令和6年度予算の予算委員会公聴会が2月29日に開催されました。質疑がインターネット公開されているのでとても便利です。「子ども・子育て支援制度」の財源となる「子ども・子育て支援金制度」(2024年2月16日閣議決定)、NHK2024年2月16日)についての専門家の見解は必見です。

 

支援金制度とは、公的医療保険(高齢者医療制度、国保、健保、協会けんぽ、共済組合)の保険者が、医療保険・介護保険と併せて徴収する制度。1人当たりの徴収額は当初「500円程度」と説明されていましたが(朝日2024年2月8日)、直後に「1000円を超える人がいる可能性はありうる」(朝日2024年2月26日)ことが判明。日経の大林編集委員は「論理破綻」と批判しました(日経2024年2月28日)。

 

以下は趣旨を変更しない範囲で編集しました。

高久玲音先生(一橋大准教授)自民党推薦

「子育て支援の財源は、全世代で子育てを支える意味ではまず消費税」

「ただ企業も受益者なので、企業の負担が明確なのは大きなメリット」

「年齢で自己負担(割合)を分けるのは先進国ではまったく一般的でない」

「自己負担を3割から1割に下げても健康になるという結果は得られていない」

鈴木亘先生(学習院大教授)日本維新の会と教育無償化を実現する会推薦

「異次元の少子化対策で出生率が上がる効果は学術的に見てほぼない」

「支援金制度の負担額が月500円程度というのはあまりにも不誠実な説明」

「支援金制度を導入しても国民負担率が上がらないというのは詭弁としか言えない」

「支援金制度は社会保険制度(負担=受益)をぶち壊す制度であり撤回すべき」

佐藤主光先生(一橋大教授)公明党推薦→支援金制度に特化した発言なし

西沢和彦先生(日本総研理事)国民民主党推薦→いちばん説得力があった

「支援金制度は理論的に正当化できず撤回すべき、税のほうが公平」

「理由①保険者自治の侵害、500円だからいいという話ではない」

「理由②支援金をプラスすれば医療保険財政を圧迫する」

「国保加入者は負担率(料率)がより高い」