5月23日(月)開催の薬事・食品衛生審議会医療機器・体外診断薬部会(開催案内)で、次世代医療機器評価指標(議題pdf)が議題に挙がっており、4月26日に製造販売承認された高血圧治療補助アプリ(くすり×リテラシー2021年9月16日2022年3月14日)などの「行動変容を伴う医療機器プログラムに関する評価指標(案)」(くすり×リテラシー2020年11月16日2022年3月8日)が議論される予定です。

 

こうした評価指標の案は、国立医薬品食品衛生研究所(NIHS)が事務局を務める審査ワーキンググループで作成されています。行動変容を伴う医療機器プログラムに関しても、2年間(令和2年度(2021年3月)令和3年度(2022年3月))の調査研究を経てまとめられました。委員の顔ぶれは以下です(敬称略)。

 

令和3年度:佐久間(座長、東大工)、菊池(慶応大精神・神経科学=認知行動療法)、後藤(慶応大経営管理研究科=行動経済学)、鈴木(医療機器センター)、田村(国際医療福祉大循環器内科)

令和2年度:佐久間(座長、東大工)、岸(東大工)、佐竹(CureApp)、鈴木(医療機器センター)、田村(国際医療福祉大循環器内科)

 

おやっと思ったのは、令和2年度(2020年4月~2021年3月)の班員にCureAppの佐竹社長が入っていた点です。同社にとって2020年は、第一弾である禁煙(ニコチン依存症)治療アプリが、前年(2019年)12月の承認申請(CureApp審査報告書2020年6月19日)後、6月19日に部会審議(厚生労働省2020年6月12日開催案内議題pdf)、8月21日に製造販売承認(CureApp2020年8月21日)、11月11日に中医協了承(中医協総会2020年11月11日総1-1)、12月1日に薬価収載(CureApp2020年12月1日)された、まさに節目の年です。

 

NIHSの研究班でアプリの評価指標について議論しつつ、一方では自社製品が評価を受けているわけで、COIの観点から問題はないのか疑問に思いました。裏を返せば「日本の審査当局はソフトウエアの分かる専門人材が少ない」(日経2022年5月10日)ということなのでしょうが。

 

(2022年5月23日追記)

部会の質疑応答でゲーム(くすり×リテラシー2021年4月9日)は含まれないとのことでしたのでタイトルを修正しました。