ヨーロッパ医薬品庁(EMA)は12月16日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬であるパクスロビドについて、承認前ではあるが使用可能との助言(アドバイス)を発表しました。同薬は現在、迅速審査にあたるローリングレビューが適用されています(EMA2021年12月16日Pfizer2021年12月16日日経2021年12月17日)。パクスロビドは、Pfizerが開発したニルマトレルビル(PF-07321332)とリトナビルの配合薬です。

 

根拠となったのは、Pfizerが12月14日に発表したパクスロビドのフェーズⅡ/Ⅲ試験であるEPIC-HR試験(NCT04960202)の中間解析の結果です(Pfizer2021年12月14日CNN日本版2021年12月15日)。COVID-19発症3日以内にパクスロビドを投与された患者は、プラセボに比べて、入院または死亡が89%減少しました(パクスロビド群0.7%(5/697、死亡ゼロ)、プラセボ群6.5%(44/682、死亡9)、p<0.0001)。同様に、発症5日以内投与の場合、入院または死亡が88%減少しました(パクスロビド群0.8%(8/1039、死亡ゼロ)、プラセボ群6.3%(66/1046、死亡12)、p<0.0001)。

 

報道(化工日報2021年12月16日)によると、パクスロビドは米国でEUAを申請中で、日本でも近く申請予定だそうです。

 

(2021年12月23日追記)

FDAは12月22日に、パクスロビドに対してEUAを認めました(FDA2021年12月22日Pfizer2021年12月22日)。米国では飲み薬第一号になります(化工日報2021年12月23日)。