昨年12月18日に申請していた(くすり×リテラシー2020年12月18日)ファイザーの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン(BNT162b2、商品名コミナティ)が、2月12日の医薬品第二部会で審議され(くすり×リテラシー2021年2月8日)、滞りなく(?)了承されました。日本で実施された治験(NCT04588480)でも、中和抗体の増加が確認されたそうです(NHK2021年2月12日)。
これでファイザーが日本におけるCOVID-19ワクチンのトップバッターになりました。今後は、従来日程より1日早く14日(日)に承認、17日に医療従事者対象に接種を開始するスケジュールです(日経2021年2月12日)。ファイザーはさっそく「本剤に 関する動画および画像を報道機関の皆さまに提供させていただく」とリリースしました(ファイザー2021年2月12日)。
(2021年2月13日追記)
上記NHKの報道は「承認を了承」、日経は「特例承認を了承」で、表現が異なっています。頼りにしている(!)化工日報(2021年2月12日)では「特例承認が適用される」と明確に書かれていました。明日になれば分かることですが、厳密にいえば、NHKの表現は間違いになりです。
(2021年2月15日追記)
コミナティが2月14日に特例承認され(厚生労働省2021年2月14日)、2月14日付留意事項通知、添付文書、患者向医薬品ガイド、(RMP)医療従事者向け適正使用ガイド、(RMP)患者・家族向けパンフレットがPMDAのサイトに公開されました。通知には、承認条件の一つとして「本剤が特例承認を受けたものであること及び当該承認の趣旨が、本剤 を使用する医療関係者に理解され、適切に被接種者又は代諾者に説明され、理解できるために必要な措置を講じること。」と書かれていますが、上記の報道でもわかる通り、承認と特例承認の違いをちゃんと理解・区別している人はそれほど多くないかもしれず(?)、承認=国のお墨付きが得られたとして同じように扱われることになるのでしょう。また、承認日に、特例承認にかかる報告書が公開されないのもおかしいと思います。PMDAは承認日当日に判断した根拠を公開すべきです。
(2021年2月17日追記)
さっそく医療従事者への接種が始まりました。1例目は東京医療センターの新木一弘院長で写真入りで報道されていました(共同2021年2月17日)。先行接種を受ける約4万人のうち約2万人は「接種ごとに1週間ずつ体温の変化や疲労感の有無などを記録してもらう。その後も体調の変化があれば報告」(時事2021年2月17日)するのだそうで、事実上、研究(フェーズⅣ)的な側面が大きいようです。