新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に背中を押され(?)、4月13日から、初診患者へのオンライン/電話による診療が始まります(日経2020年4月10日)。調剤薬局大手はさっそく、初診患者へのオンライン対応(オンライン服薬指導、薬の配送)を整備しています(日経2020年4月10日日本調剤2020年4月8日)。

 

 オンライン診療は、国の指針(「オンライン診療の適切な実施に関する指針」2018年3月、2019年7月一部改訂)に沿って行われ、「初診については原則直接の対面で行うべきである」とされてきました。しかし、国の規制改革推進会議での議論を経て、「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」(2020年4月7日閣議決定)で「新型コロナウイルス感染症の感染が拡大し、医療機関への受診が困難になりつつある状況下において、国民・患者が安心して医療を 受けることができるよう、初診も含め、電話や情報通信機器(以下 「電話等」という。)で医療機関へアクセスし、適切な対応が受けられる仕組みを整備する」ことになりました。

 

 厚生労働省の事務連絡(2020年4月10日)で重要と思った点は以下です。

・COVID-19の感染拡大に伴う「時限的・特例的」な対応

・初診料は214点(2140円)で、対面の場合の初診料(A000)288点(2880円)より安い

・麻薬や向精神薬は処方できない

・カルテ等で患者の基礎疾患の情報が把握できなければ、①処方日数は7日が上限、②麻薬、向精神薬に加えてハイリスク薬も処方できない

・医療機関は、オンライン診療を行っていることについて広告してよい 等

 

 今回の対応により、病院や薬局(という特殊な施設)に一度も足を運ぶことなく、医師や薬剤師(という医療の専門家)と一度も対面せずに、医療を受けることが可能になります。このことは、医師や薬剤師の専門性(プロフェッショナリズム)や、医師・患者関係にも、意外(?)に大きな影響があるのではないでしょうか。