新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、2月末以降、リアルの会議、打ち合わせ、講演会が次々とZOOMに置き換わっています。自宅にいながらにして相手と自由に会話ができ(これだけならSkypeでもできた)、資料も見られる(これはSkypeではやったことがない)のですから、きっとCOVID-19の感染がおさまった後も、みんな(私も)はZOOMを使い続けることでしょう。

 

 昨日はZOOMを使ったWebinarを初体験しました(メディアドクター研究会第67回定例会)。いつものリアルな定例会の参加者は50人程度のことが多いのに、Webinarだと人数に制限がなく、最終的に200人近くが参加しました。

 

 評価対象記事(BuzzFeedNews2020年2月26日)は概ね高評価でした。特に、「とにかく検査を!」という意見が出ていた中で、検査の性能、つまり感度と特異度について言及した点は良かったと思います。有病割合(事前確率)が非常に低い場合、仮に検査の特異度が相当程度高くても、偽陽性、つまりほんとうは陰性なのに検査で陽性と出てしまう人がそれなりに出てきてしまうので、陽性的中率が低くなります。それはその通りなのですが、記事中に同じ記述が2度繰り返されていたために、かえって分かりにくく感じました。さらに、偽陽性のことを言うなら、より影響の大きい偽陰性(ほんとうは陽性なのに検査で陰性と出てしまう=見逃し)のことにも触れるべきだったのでは?と思います。

 

 ただ、こうした記事の内容に関する議論はそれほど深まらず、ほぼ視聴するだけの人が多かったです。それでもWeb上で質問したり、アンケートに答えたり、手を挙げたりはできるので、参加している感覚はあったと思います。動画を視聴するという点では同じでも、今までやってきた(やらされてきた)eラーニングとは別物だということがよく分かりました。

 

 ここまでの機能が備わっていると、大学の講義(の少なくとも一定割合)は早晩ZOOMに置き換わっていくでしょう。そうすると、自分の大学で開講されているつまらない講義より、他大学の面白そうな講義を聞いて単位を取りたい学生が必ず出てきます(面白そうな講義の究極はTED。大学ごとに「フランス語」や「法学」や「統計学」の先生がいなくてもよくなるかも……。

 

 ZOOMがもたらす講師の競争から振り落とされないようにしなければ。