「ふぁーあ、よく寝た」
女王様たちが小人に何を聞いたら良いか丸くなって相談していると、一人のひょろりとした小人が目を冷ましました。
体を土の上に起こし、大きなあくびをしています。
「こんにちは」
女王様は小人にゆっくりと近づくと、優しく声をかけました。
リンとヒューンはじっと黙って様子をうかがっています。
小人は三人を見てにっこりと微笑むと、
「こんにちは、お嬢さん。ところで何で私は紐でしばられてこんなところで寝ていたのかね?」
と、不思議そうに首をかしげました。
「ご気分はいかがですか?」
女王様は小人が良い小人になったのかどうか見極めようと、質問を返しました。
「すっかりいい気分だ。まるで生まれ変わったみたいな気がするよ!」
「最悪の魔女のことは知っていますか?」
「最悪の魔女?あの黒い服を着た女のことかね?知っているとも!私たちが大事にしているドラゴン水晶をよこせと言ってきたからね」
小人はそう言って、苦い顔をしました。
「どうやら、闇の衣がはがれたようですね」
ヒューンが羽を口の横にあて、女王様の耳につぶやきました。
「そのようですね」
ちらりとヒューンを見て頷くと、
「ドラゴン水晶とは何ですか?」
と、再び小人に質問しました。
「何でそんなことを聞くんだい?さては魔女の仲間なのか?何を言われたって水晶は渡さないぞ。この縄をほどけ!」
小人は急に怒り出し、手足をバタバタと動かしました。
「話を聞いてください。そうしたら縄はほどきますから」
女王様が慌てて言うと、小人は疑いの眼差しを三人に向けました。
「こんにちは、小人さん。私、リン」
リンはすいっと小人のそばに飛んでいくと、ちょこんとおじきをしました。
「私はヒューンです」
ヒューンも小人の近くにテコテコと歩いていくと、翼を広げてあいさつしました。
「私はお菓子の国の女王です。王を最悪の魔女にさらわれ、倒しに来たのです」
最後に女王様がそう告げると、小人はすっかり大人しくなりました。
「魔女の仲間ではないのか。…でも、なぜ私を縛り上げているんだい?説明してくれないか?」
小人はまだ心を許してくれたわけではなさそうです。
「それは、あなたが魔女に操られていたからです」
女王様が言うと、
「何だって!?」
と、小人は目を丸くしました。
「私が魔女に操られていたって?そんなバカな…いや、でも…そういえば…あれからの記憶が…」
小人は何か思い当たる節があるのか、一人でブツブツ言っています。
そこへ、もう一人の太った小人が目を冷まし、
「やった!」
と大きな声で叫びました。
突然のことにそこにいた皆は驚き、だれもがぽかんと口を開けました。
「やった!やつたぞ!俺は解放されたんだ!」
二人目の小人は紐でしばられて動けないというのに、体を揺らして喜んでいます。
「お、シャープ。おまえも無事だったのか」
「おお、ファットじゃないか」
先に起きた小人も嬉しそうにしています。
「魔女にドラゴン水晶を奪われ、呪いをかけられた時はどうなるかと思ったが、その呪いも解けたみたいだな」
ファットがそう言うと、
「あぁ、そうだ!そうだよ!!!」
とシャープは声をあげました。
「ドラゴン水晶を奪われたんだ!」
「忘れていたのか?」
ファットは心配そうに言い、
「ところで、この人達は誰なんだい?」
と、不思議そうに聞きました。