お菓子の国の女王様⑦ | 島村寺子屋まなび塾&ハポス治療院  公式ブログ

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国家資格の柔道整復師であり、心とからだのセラピスト歴28年のハポス田島があなたのつらい痛みを一緒に治して行きます。

あなたのその繰り返す痛みと辛さは???
自分自身に向き合う方法を、一緒に考えて行きましょう。

「まずは闇の衣に包まれないようにしなくちゃいけないわ」
「それでは、このラム酒を飲んでから外に出れば大丈夫です」
女王様はそう言って体を起こすと、ラム酒が入った瓶を取り出しました。
ラム酒は水晶の光に照らされて、キラキラと輝き、まるで魔法の飲み物のように見えました。
「それがいいわ。あなたはそれで闇の衣に包まれなかったんだものね」
リンはそう言って、にっこりと微笑みました。
すっかり女王様に心を許したリンの笑顔は可愛らしく、女王様もつられてにっこりと微笑みました。
「最悪の魔女がいる場所はわかっているのですか?」
「大体の場所は知っているわ。この島の真ん中よ。私たちは闇の城と呼んでいるの」
そう言ったリンの顔からは笑顔が消えていました。
「闇の城ですか?」
それを聞いて、女王様も顔を曇らせました。
「そうよ。いつも闇に包まれていて巨大な黒い闇がそこにある、としか分からないけれど、最悪の魔女がその中に消えていくのを見たという者もいるし、ドラゴンの声を聞いた者もいるわ」
それを聞いて、女王様はヒューンがいなくなってしまったことを思い出しました。
「ヒューンも島の真ん中に何かあると言っていました。リンさん、私の他に白い鳥を見ませんでしたか?私と一緒にこの島にやって来たのですが、離ればなれになってしまったのです」
「あなたの他には誰もいなかったわ」
リンは少し考えてからそう言いました。
「そうですか」
ヒューンは今頃どうしているのでしょう?ラム酒も飲まずに病気になってはいないかしら。
女王様はヒューンのことが心配になってきました。
「そんなに心配なら、まずはそのヒューンさんを探してから最悪の魔女を倒しに行きましょうよ」
「そうしていただけるととても嬉しいです。ヒューンは私を助けて共に最悪の魔女を倒しに来てくれたのです」
「仲間は一人でも多い方がいいわ」
リンはそう言うと、
「ちょっと待っててね」
と言って、部屋を出ていってしまいました。
女王様は一人狭い部屋に残り、ヒューンの事を考えました。
ヒューンに何かあったらきっと家族も悲しむでしょう。
あぁ、どうか無事でいてください。
「これがあればきっとヒューンさんを見つけられるわ」
首から金色の笛を下げてリンが戻ってきました。
「それは一体何ですか?」
女王様は不思議に思って聞きました。
「これは島にいる光の鳥さんと話すための笛よ。私たちは羽があって飛ぶことが出来るけれど、遠くや木の上までは飛ぶことが出来ないの。だからどこか遠くに行きたい時や高いところにいきたい時はこの笛で鳥さんを呼んで、背中に乗せてもらって、お礼に私たちが作った野菜をあげたりするの」
「それじゃあ、その笛でヒューンを呼ぶことが出来るのですね」
「そうよ。この笛なら島のどこにいたって聞こえるはずよ。それに、悲しいけれど今この島には闇の鳥ばかりで光の鳥はもういないの。だから、ヒューンさんにだけ話しかけることができるはずよ」
リンはまた悲しそうな顔をしました。
「そうなのですか」
女王様もそう言って、静かに下を向きました。
しばらく二人はじっと黙っていました。
けれど、リンはぐいと顔を上げると、元気よく言いました。
「さぁ、さっそく地上に出て笛を吹いてみましょう!」
「分かりました!」
女王様も元気よくそれに答え、二人は部屋を出ました。