カウンセリングルームはぴっとの田中勝悟です。
最近、不登校のことを勉強しようと論文を読み漁っています。
昨今は本当に便利になりました。
「不登校 論文」と検索すると、簡単に当時の最先端の研究論文が見つかります。
私が学生の頃は、そういうシステムはなかったので、研究論文を探すためには大学の図書館を利用するしかなかったのですから。
そうした中で興味深いデータがあったので、お話をしたいと思います。
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保坂亨先生が2002年に寄稿した「不 登 校 を め ぐ る歴 史 ・現 状 ・課 題」という論文があります。
↑をクリックするとその論文が見れます。
結構難しめの論文なので、興味がある方は読んで頂ければと思いますが、
上記の論文は「不登校」とういう概念がどのように変化したのか、
そして保坂先生が上記の論文を寄稿した時代の研究の状況が書かれています。
その中では、不登校は1996年までは、日本では「学校ぎらい」という名称でカウントされていたということです。
つまり、「学校に行けないのは学校が嫌いだから」ということ。
また、1970年代までは「学校恐怖症」という診断名が使われていました。
つまり、不登校というのは何らかの思春期特有の精神疾患の一つだと考えられていた経緯があります。
さらに言えば、不登校は親の教育の問題で起こった未熟な性格傾向から起こるものだと真剣に考えていた研究者もいました。
しかし、その考え方は不登校の子どもたちには当てはまらないという臨床家からの感覚と共に消えていきました。
ちなみに、国の行政機関で初めて「不登校」という言葉を使ったのは文科省ではありません。
実は法務省なのです。
1989年に刊行された「不登校児人権実態把握のためのアンケート」という調査で初めて「不登校」という名称が使われるようになりました。
それは今まで「学校を拒否する」という「登校拒否」という名前に対する違和感が背景にあります。
「実際には学校に行きたくても行けない」と苦しむ子どもたちの声から、登校拒否という言葉よりも「不登校」という名称を使いました。
このアンケートの自由記述で書かれている子どもたちの声は、今の不登校の子どもたちのそれとほとんど同じで、読んでいて身につまされる思いです。
実は不登校の子ども自身の声は今も昔もほとんど変わらないんじゃないか・・・そんな印象を受けます。
ともあれ、実は不登校という言葉は、昔は「学校ぎらい」という名称でカウントされていたということです。
この言葉にどんな印象を持つかは置いておいて、国自体が「不登校になるのは本来は間違っている」という認識を持っていたことが伺えます。
ただ、それは国として、「子どもたちに豊かな教育を与えよう」と努力した思いが背景にあるのではないかと推察しています。
そして、令和元年10月は、「不登校児童生徒への支援は,「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく,児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて,社会的に自立することを目指す必要があること。」と通知が出されています。
少しずつですが、不登校の子どもたちに寄り添った教育、すべての子どもたちに寄り添った教育をしていこうとする国の思いが伺えます。
ちょっと今回は難しかったかもしれませんが、こういう不登校の定義や意味、歴史を知ることも、彼らの支援を考える上では必要なんじゃないかと思います。
ではでは、今日はここまでです。
↑大好評のグループワークです。日を追うごとに参加者が増えつつあります。
3クール目は進路やキャリア教育、自立についてを中心にディスカッションをしていきたいと思います。
もちろん、その時その時の疑問についても一緒に考えて行き、「親に今できること」も探していきます。
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11月7日開催「不登校・ひきこもり」子どもたちの理解と支援
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2020年11月15日開催竹の子会主催の不登校セミナーin愛知
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