不登校・引きこもり専門カウンセラーの田中勝悟です。
しばらくブログの更新ができず申し訳ございませんでした。
それでも日々、多くの方が訪問をしていただいており、とても励みになっています。
ありがとうございます。
さて、川崎市の殺傷事件、本当に心が痛くなる事件です。
また、犯人は引きこもりだったということも物議を醸しだしています。
ただ、過去に引きこもりやニート、不登校経験を持っていた人が、こうした凄惨な事件を引き起こすケースというのは確かにあります。
しかし、当然ですが、全ての引きこもりが事件を起こすとは限りません。
過去に似たようなケースの子どもに関わった経験がありますが、その子は結局のところ、事件を起こすまでには至りませんでした。
それはその子が事件を起こすほどのエネルギーを持っていなかったからです。
また、お母さんをはじめとして、多くの方の努力があったからでもあります。
しかし、時として、秋葉原殺傷事件のような凄惨な事件が起こりうることがあります。
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動機なんてどこにもない
こういう事件を起こすたびに、テレビやマスコミは「犯人の動機はなんだったんだろうか」という議論を行います。
その議論を行うのは賛成です。
動機が明らかになれば、再発防止に役立てるかもしれないし、今後の支援にもつながるかもしれません。
しかし、議論を重ねれば重ねるほど、「動機はなんだったのだろうか」とわからなくなります。
岩崎容疑者がなぜ小学生の集団を無断で切りつけ、そして自殺をしたのだろうか。
おそらくこの事件には動機なんてものが存在しないのではないかと思います。
ただ、伯父が高齢になり、これ以上今の生活を維持できないと考えたとき、「もうだめだ」と思った可能性は高いです。
ただ何もなくこの世を去りたくない。
何かを残してこの世を去りたい。
そう思ったときに、包丁を持って小学生に切りつけるという狂気の沙汰ともいえるような行動を選択したのでしょう。
当然ですが、許せる行為ではありません。
しかし、長年引きこもりを続けた人の中には、このような常人には理解できない選択をすることが時々あります。
多くの方は空想で終わりますが、実際に行動に移してしまう人もいます。
人生の変化と価値観の変化
こうした事件を起こすというのはまれですが、今回の事件は引きこもりを続けている人の末路を表したものだと思います。
引きこもりを続けるということは、外界とのつながりを断つということです。
私たちは社会的動物です。
社会とのつながりの中で、自分というものを知り、そして成長へとつなげます。
また、そうしたつながりは年齢を重ねるとともに変化していきます。
例えば、学校を卒業して就職し、結婚し、子どもを持つという過程の中で、少しずつ、そして大きく人間関係が変わります。
このブログを読んでいる方の中には、今まで普通に付き合っていた友人が結婚して子どもを持った瞬間に、付き合い方がガラッと変わってしまったという経験を持った方もおられるのではないかと思います。
また就職先が正社員かフリーターか付き合い方も随分と変わります。
ニート、引きこもりの場合、働いている人と関わり続けるのは非常に難しいです。
お金もそうですが、価値観がガラッと変わるのが大きな要因です。
そうした中で、ニート・引きこもりの人は少しずつ、一緒に遊んだり関わる人が減っていき、孤独感を募らせていってしまうのです。
引きこもりの末路
孤独感は心の健康を一番阻害する要因です。
孤独な人は、ほかの人と比べて「うまくいっている」といった自己肯定感や自己功力間がほとんど持てません。
しかも、自分に向き合うまでの強さがなかなか育たないので、だんだんと「こうなったのは周りのせいだ」と思うようになっていきます。
怒りのエネルギーがだんだんと増えてくると、ますます社会の中でうまくいくことは難しくなり、つながりも切っていってしまいます。
岩崎容疑者もそのような思いを抱きながら、それでも「自分はなんとかなる」と甘い幻想を抱きながら過ごしていた可能性は低くないでしょう。
そうした中で、漠然と過ごしていく中で、親や保護者が生い先長くないと感じたとき、子どもは「もう生きることは難しい」と思ってしまいます。
最初は「誰かが自分を襲ってくれないか」「災害かなんかで死なないだろうか」と思いながら過ごし、いよいよ難しいと感じたときに、「よし、決めた」と最終手段を決行してしまうのです。
これは引きこもりやニートの末路で一番多く起こりうるものです。
しかし、実際は報道されていないことも多く、あまり知られていないのが実情です。
生きる強さを育てていく
生きるということは非常に難しい問題です。
多くの方が苦しみながら仕事や子育てをして生きているのが実情です。
それに耐えられない人もたくさんいるものです。
だからこそ、「生きる強さ」というのをどう教えていくか。
行き詰ったときに、どう支えてあげられるか。
それを意識した関わり方をしていくことが大切なんじゃないかと思います。
また、生きる強さについては、ブログで書かせていただきます。
室長:田中勝悟
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