不登校・引きこもり専門カウンセラーの田中勝悟です。

今回は私が専門としている選択理論心理学と不登校支援の関係についてお話をしたいと思います。

 

 

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選択理論心理学とは?

選択理論心理学とはアメリカの精神科医であるウィリアム・グラッサー博士が提供した脳生理学をベースとした心理学です。

 

系統的にはアドラー心理学や認知行動療法に近いのですが、一番の違いは「脳生理学をベースとしている」というところでしょうか。

 

例えば、人の脳は「○○しない」ということを認識するのがとても苦手です。

私が「ドラえもんのことを頭に思い浮かべないでください」というと、たいていの人は青いネコ型ロボットが脳裏に浮かぶと思います。

 

これを考えると、子どもとの関りに対して「これもダメ、あれもダメ」と言い続けると、子ども自身の脳が拒絶反応を起こし、かえって関係が悪くなります。

うした脳生理学をベースとして、人間関係を改善することを通して、問題を解決に導くノウハウがつまっているものが選択理論心理学だと思っていただければと思います。

 

人は常に最善の行動を選択しているという考え方

選択理論心理学では「人間には5つの基本的欲求が備わっており、それを満たすように脳は行動を選択している」と説明しています。

その5つの欲求とは、

 

生存の欲求

愛と所属の欲求

力と価値の欲求

自由の欲求

楽しみの欲求

 

です。

 

それぞれの意味はこちらに詳しく書かせていただいています。

 

 

↑選択理論心理学の基本についてお話しています。

 

簡単に言えば、人はもともと

 

・ 安全で健康に生きていたい(生存の欲求)

・ 誰かとつながりたい、居場所を得たい(愛と所属の欲求)

・ 「自分はできる」という実感が欲しい(力と価値の欲求)

・ できるだけ自分で決めたい(自由の欲求)

・ いろんなことに楽しみを見出したい(楽しみの欲求)

 

 

という5つの欲求が備わっていると言われています。

 

この欲求を満たすために人は行動を選択していきます。

 

そのため、人の行動は「欲求を満たす」という目的があって行われています。

そうした視点で人の行動をとらえるため、選択理論心理学では「人は常に最善の行動を選択している」と考えます。

(この考え方って子どもと関わる上で非常に大切です)

人間関係をよくすることが解決のカギ

選択理論心理学では「人の悩みのほとんどが人間関係が原因である」と言っています。

そのため、人間関係をより良いものにすることで、問題の解決や改善を図ろうとします。

 

上記の基本的欲求の観点でいえば、「愛と所属の欲求」をどのように満たしていくかということ。

 

人は人とのつながりなくして幸せになることはできません。

そして、大切なことですが、自分の思いだけを優先してしまうと、必ず人間関係は壊れていきます。

 

そのため、相手のことを考えていくということがとても大切になります。

 

そのカギが、「人は常に最善の行動を選択している」という考え方です。

 

「あの人はこういう思いがあって、こんなことをしたんだろうな」とその人の目的を推測することで、「なぜ、そんなことをしたのか」が明確に分かるようになります。

 

もちろん、当人自身が目的を自覚していないことは多々ありますが、必ず何らかの目的が存在しています。

 

それを推測するための手段やノウハウが選択理論心理学にはたくさん詰まっているのです。

過去と他人は変えられない

選択理論心理学の視点でいえば、不登校や引きこもりは周りの環境が原因で引き起こされたものではありません。
 
子ども自身が自分で選択したものです。
 
こういう視点を持つことが不登校の支援や改善にはとても大切になります。
 
もし周りが原因で不登校になったと考えると
 
「あれがなければ今頃学校に行っていたのに」
「先生があんなことを言わなければ」
「あのクラスに入っていないければ」
 
と環境がすべて悪いと考え続けます。
 
しかし、その考えは無意味です。
 
選択理論心理学でいわれていることの一つに
 
「過去と他人は変えられない」
 
とあります。
 
そうです。
 
周りの環境は変えることはできません。
 
環境が原因だと思い続けることは、ぐるぐると行き場のない中をさまよい続けることになります。
 
その分、時間を無駄に消費しますし、無駄に時間が過ぎればすぎるほど不登校・引きこもりは悪化していきます。
 

不登校・引きこもりは子ども自身が選択した

しかし、「不登校・引きこもりは自分で選択したものである」という視点で見ていくと、いろんなものは変わっていきます。
 
まず、選択したものであるということは何かしら目的があったはずです。
 
目的はもちろん無自覚の場合もあるし、ゆたぼんのように意識できている場合もあります。
(多くの不登校や引きこもりの人たちは無自覚であることが多いですが)
 
しかし、基本的欲求を満たすための何らかの試みが不登校や引きこもりであったという視点で考えていけば、自ずと答えが見えてきます。
 
居場所がないという苦しみから逃れるため
このままでは自分がつぶれるという怖さから逃れるため
もっと自分を生かせるところを見つけたいと思ったため
 
人の脳は「快を得るよう、不快を避けるよう」に行動を選択していきます。
 
なぜ「その行動を選択したのかを丁寧に見ていくことで、自ずと子どもの不登校・引きこもりの真の原因が見えてくるのです。
 
そして対処法も。
 
今回は簡単ですが、私がベースとして行っている選択理論心理学の視点から不登校・引きこもりの支援についてお話をさせていただきました。
 
もちろん、実際のカウンセリングではゲシュタルト療法や行動療法、精神分析、箱庭療法など多くのやり方も学んできています。
 
ちなみに5月26日の日曜日は選択理論心理学会 神戸支部の研究会を開催しています。
興味のある方はぜひお越しください。
 
 
 

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室長:田中勝悟

 

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