不登校・引きこもり専門カウンセラーの田中勝悟です。
今回は、怒ることがほとんど意味がないということについてお話をさせていただきます。
人は怒られ続けると、非暴力・不服従という最も有効な対処法を学んでしまうことがあります。
これを対処法にしてしまうと、ほとんどの親は手が出せなくなってしまうので要注意です。
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非暴力・不服従とは?
非暴力・不服従とはインドのマハトラ・ガンディーが、イギリスの植民地であった時代に、イギリスから独立するために選んだ方法です。
簡単に言えば、
「私たちは暴力は使わないし、かといって服従もしない」ということを徹底して行う抵抗の仕方です。
ここで、前置きとしておきたいことは、本来の非暴力・不服従は、ガンディー哲学に基づいたかなり高度な理念や人間観・宗教観・道徳観が背景にあるものなので、私たちが簡単に理解できるものではありません。
そもそも単なる「暴力を使わないけど服従もしないよ」という姿勢だけで、インド独立の原動力になったり、多くの人たちに影響を与えるということはあり得ません。
ガンディーの人柄と人生観や宗教観があってこそのものだと思います。
なので、そうしたガンディーの「非暴力・不服従」を引きこもりの人たちが使っているやり方と同じ次元でお話をするのは、私自身も「申し訳ない」と感じているのですが、「怒るということ」がどれだけ悪影響を起こすかについてお話しするために、あえてこの言葉を使っています。
非暴力・不服従がどれだけ強力な抵抗かということ
例えば、子どもに「仕事に行きなさい」といいます。
子どもは「うん、わかった」と返事をしますが、その後ハローワークに行ったり、タウンページを見るような様子はありません。
何度も言っているのに、全く行動に移さないわが子を見て、親もしびれを切らし、「いい加減にしなさい」と怒鳴ります。
それでも子どもは「うん、わかった」と生返事をするのみ。
こういうやり取りを続けていくと、親自身も疲れてしまい、子どもの相手をしたくなくなってきます。
無理やりさせようとすればするほど、子どもはどんどん殻に引きこもるのですが、暴れず、言い返すこともせず、かといって言う通りにもしてくれません。
こういう引きこもりは数年の間で結構増えてきています。
こうした子どもは実はすでに分かっているのです。
「こういう風な対応をしていたら、親自身もあきらめるだろう」と。
親の行動を見透かした結果、非暴力・不服従のやり方を学んでいるのです。
しかし、そのやり方は確かに自分の思い通りに親をコントロールすることができますが、子ども自身が自分を追い詰めていきます。
そのまま、何年も経過すれば、自分で自分の首を絞めていくことになります。
そして、親の力だけでは無理だと判断し、引きこもり専門の施設のスタッフにお願いして、そこに半ば無理やり入所させるという結果になります。
怒るということは実は意味がない行為
「悪いことをしたら怒らないといけない」と人は言いますが、なぜ怒る必要があるのでしょうか?
この質問に、「当然でしょ?そんなこともわからないの?」以外の答えが出せる人を私は見たことがありません。
「悪いことをしていることを教えるため」と答える人もいますが、それなら大声上げずに丁寧に教えるだけでいいのではないか?
そんな禅問答のようなことを繰り返していくと、実は「怒る」ということはほとんど相手のためにはなっていない行為だと気づきます。
怒ることで、子どもは「あまり自分のことを考えてくれていないな」と感じるようになります。
しかし、自分も怒ったり言い返したりするのも、馬鹿らしいし、そもそもそんなことにエネルギーを使う気力もないし、面倒くさい。
だから、「言い返したり、暴力をしない代わりに、言うことも聞かないでおこう。そうしたら親もあきらめるだろう」という非暴力・不服従の抵抗をとってしまうのです。
子どもの引きこもりを改善するために必要なこと
この4つになります。
基本は不登校の子どもの支援と同じですが、違うのは相手が「大人」であるということ。
大人である以上、一定のタイムリミットが存在するし、親として支援するための限界は当然あります。
そのことを子どもはどう感じているのか。
親としてどう子どもに生きていってほしいのか。
そういうことを自由に話し合える関係を作ることがとても大切なことです。
そのため、不登校・引きこもりの相談に対しても、まずは関係づくりというのがとても大切になります。
相手をより良い方向に変えていくには、まずはお互いの関係を良いものに変えていくしか手がありません。
そのためには、まずは自分自身の在り方を見つめなおし、自分の行動を変えることが一番の方法なのです。
室長:田中勝悟
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