不登校・引きこもり専門カウンセラーの田中勝悟です。
今日は不登校の子を持つお父さん・お母さんが一番ネックになっている「昼夜逆転」をなくすための対応についてご紹介します。
「子どもがスマホゲームをするから、朝起きれなくなり、結果として昼夜逆転してしまう。」
実はこの視点で考えることが、そもそも間違いなのです。
適切に人間の心理状態を理解すると、自ずと支援の仕方も見えてくるようになります。
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人は原因ではなく、目的があって行動する生き物
最初に話をしないといけないことは、人間は目的があって行動する生き物だということです。
例えば、今日しんどくてやる気がでないのに、仕事に行く準備をしているのはなぜでしょうか?
お金を稼ぐため、ですよね。
人によっては、やりがいのため、家族のため、生きていくため、といろんな答えが出てきます。
このように人は目的があって行動を起こします。
ご飯を食べるのも、おなかが減ったからではなく、栄養を体に入れるためにご飯を食べるのです。
禅問答のような気もしますが、原因ではなく、目的で人は行動するという視点で考えるのは、不登校・引きこもり支援においても特に重要です。
この視点で一度、昼夜逆転現象について考えてみましょう。
スマホゲームをするから朝起きれないという視点の問題点とは
原因論で昼夜逆転現象を見てみると、スマホゲームをするから朝起きれなくなるという結論に達します。
この考え方は、普通の子どもであれば問題ないでしょう。
「明日起きれなくなるからゲームをやめなさい」で済む話です。
しかし、不登校が長期化した子どもになると、それだけでは対応は難しくなります。
実際にスマホを取り上げたり、パソコンを取り上げた結果、過度に不安定になってしまい、家庭内暴力に発展したケースもあるくらいです。
となると、「この子は何のために朝起きれないまでスマホゲームをするという選択をしているのか」という視点を持つことが必要となります。
それができると、具体的な支援の方針が見えてきます。
夜遅くまで起きているのには目的がある
子どもが夜遅くまで起きているのには理由があります。
それをあえて「目的」と表現しましたが、何らかの目的があるのです。
それは、
朝早く起きたくないから
です。
いやいや、そんなことはわかっていますという声が聞こえてきそうです。
しかし、多くの方はこんなことを経験したことがありませんか?
明日の仕事に行くのが億劫な日。
ついパソコンやゲームをしてしまい、夜遅くまで起きてしまった経験です。
これと同じような心理が不登校の子供にも起こっているのです。
朝起きたくないから夜遅くまで起きている
では、なぜ朝起きたくないのでしょう。
まず、朝早く起きると、学校に行かないといけないという現実が待っています。
また、寝ると時間は一瞬で過ぎます。
だからこそ、なるべく寝ないように夜遅くまでゲームやスマホで時間をつぶそうとするのです。
私自身、仕事に行きたくない日は、夜遅くまでゲームやスマホに逃げようとした時期があります。
さらに言えば、不登校の子どもは人の気持ちを察知するのが得意です。
お母さんやお父さんが「また学校に行かないのか」とイライラしたり、険悪な感じが少しでもあれば、子どもはなかなか朝早く起きようとはしません。
起きるのがつらくなります。
だからこそ、朝は遅くまで布団の中に逃げようとするのです。
もし、お子さんが重度のゲーム依存、スマホ依存になっているのであれば、別の手が必要ですが、そうではない場合は、上記の心理状態が働いていると考えます。
子どもが早く起きるようになる対処法3つとは?
上記のメカニズムが背景にある場合、対処法は次のようになります。
まず、子どもが「朝早く起きてもいい」と思えるような雰囲気を作ることが大切です。
そのためには、朝学校に行くかどうかは、それほどこだわらず、日ごろからいろんなお話ができるような関係を作っていくことが大切です。
親子の関係が良くなれば、自ずと子どもは朝早く起きるようになります。
ただ、もしかすると8時30分までは起きてこないかもしれません。
その場合は、「学校に行かなくてもいいから、せめて7時30分までには起きてきて」とお願いしてみるのもいいでしょう。
家庭の中で7時30分までには起きてご飯を食べるというルールを作るのもいいです。
ただ、それを子どもが守ってくれるためには、それなりに良好な親子関係を築いていくことが大切です。
それから、子どもが朝起きたら笑顔で「おはよう」と声をかけてみてください。
もしかすると、子ども自身はむすっとイライラしているかもしれません。
その時はそれ以上触れず、お母さん自身があまり関わらないようにするといいでしょう。
子どもが学校に行けるかどうかだけで、毎日を過ごすと、高い確率で昼夜逆転現象が起こります。
学校というのは子どもの成長のための一つの手段に過ぎません。
むしろ、不登校を楽しむという視点で子どもと関わることも、立派な不登校支援ですし、昼夜逆転を防ぐための方法でもありるのです。
室長:田中勝悟
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