不登校・引きこもり専門カウンセラーの田中勝悟です。
不登校の状態が続くと、どうしても親自身のメンタルが崩れてしまいます。
カウンセリングをしていると、親自身がうつ状態になった状態で来られ、その場合は親のメンタルの安定のセラピーを最初に行います。
まずは親が安定しないと子どもの支援はできません。
今回は不登校でメンタルが限界だという前に親ができる心構え・考え方についてお話します。
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お薬で治る「うつ」と治らない「うつ」
まずはうつ状態になる仕組みからお話したいと思います。
最初にお話をしないといけないことは、心療内科・精神科のお薬で安定ができる「うつ」と、お薬だけでは安定ができない「うつ」があるということ。
特に何らかのストレスが原因で、うつ症状が出ている場合、それはお薬のみで改善することは難しいです。
ストレスが原因で「うつ症状」が出ている状態を、医学的には「抑うつ状態」と言ったりもします。
こうなると、お薬はうつ症状を緩和することができても、改善することはできません。
むしろ、お薬が増えてしまう結果にもなるため、注意が必要です。
ストレスでうつ症状が出る心理的なメカニズムとは?
ストレスでうつ症状が出る心理的メカニズムについてお話します。
ここで問題となるのは、ストレスとは何か?ということです。
ストレスとは、「自分が望んでいる理想とはかけ離れた状況にあるときに現れる心理的・生理反応」のことです。
例えば、周りから「あなたのやり方がいけないからこうなったのよ」と責められている状況を想像してみてください。
あなたとしては、「こうすればうまくいくだろう」と思っていたことが、ふたを開けてみれば失敗に終わった状況です。
この時、あなたの理想には「このやり方でうまくいっているはず」というイメージがあるはずです。
しかし、その状態とはかけ離れた失敗している状況にあります。
そうなると、イライラしたり、落ち込んだり、また夜も眠れないといったストレス反応が現れます。
さらに、誰かに相談したら、「あの人なら自分の悔しさや悲しさを受けてめてくれるのではないか」と思っていたのに、今度は責められるという結果になります。
こうなると、より一層ストレスが出てしまいます。
※より専門的に言えば、失敗した状況や周りから責められたということは「ストレッサー」と呼ばれます。
要するに、自分が思い描いていた理想像と直面した状況に陥ったときに現れるいろんな心理的・生理的な反応がストレス(ストレス反応)と呼ばれるものなのです。
まずは自分の理想としているものを整理しよう
まずは、お母さん・お父さん自身が理想としているものを明確にしましょう。
恐らく理想像としては、子どもが学校に行っている姿があるはずです。
しかし、現実ではそうではなく、家でゲームばかりしている姿を見るたびに、イライラ、落ち込み、やるせなさといったストレス反応が表れてきます。
また、何とかして学校に行かせようとすればするほど、空回りする状況に対して涙が止まらなくなるかもしれません。
その場合は、自分の理想としているものを一度整理してみることです。
もし、1か月以上学校に行けていないのであれば、「学校に行っている子どもの姿」というイメージは一度取り払わらないといけません。
実際は、義理の両親や周りの家族から冷たい目で見られていたり、お母さん自身がこだわっていて、難しいかもしれませんが、まずはそのイメージを整理しなおす過程が大切です。
できればカウンセリングを受けることで、少し心に余裕を持たせていくことも必要かもしれません。
子どもの現状をしっかりと見ること
まずは、子どもがどういう状態かをしっかりと理解すること。
恐らく、1か月以上も学校に行っていないお子さんの場合、無理やり連れて行ってもほとんど行くことはできません。
例え、父親が力づくで学校に行かせたとしても、ほぼ無理です。
となると、子どもの現状として「今すぐ学校に行ける状態かどうか」を見極めないといけません。
別室登校ならどうか、担任の先生と会えるのか、友達との関わりはあるのか、親に反抗しているのか。
いろんな角度から子どもの状態を見定めることが大切です。
その上で、「今は学校に行けるような状態じゃないな」と思えるのであれば、それ以上踏み込むのはやめた方がいいでしょう。
今できることを考える視点を持つ
そして、大切なことですが、今できることに焦点をあてていくこが大切な心構え・考え方です。
一番おすすめなのは、「子どもとの関係をより良くすること」です。
不登校に一旦なると、親子関係がかなり崩れてしまい、険悪になることが珍しくありません。
だからこそ、まずは親子関係を良くするためにできることを考えることが大切です。
そのために、今できることは何か?
距離を縮めた方がいいのか、距離を置いた方がいいのか。
子どもの良さをどう理解すればいいのか。
子どもと一緒にいて険悪にならないためにできることは何か?
上記のことを感がえていくことがまずは必要な心構えです。
時として距離を置くのも大切
時として、子どもと距離を置くことも大切です。
特にずっと子どもが家にいる不登校の状況では、親子の距離が近くなりすぎてしまい、かえって険悪になることも珍しくありません。
その場合は、少し子どもと距離を取ってみることも大切です。
もし、距離を置くのに罪悪感や不安を感じるのであれば、次のように思ってもいいでしょう。
不登校は子ども本人の問題です。
特に中学校になれば、半分大人として、自分の人生は自分で考えないといけません。
親はそのことを一緒に考えることはできますが、子どもの代わりに不登校を解決するなんてことはできません。
こうした考え方は冷たいと思われそうえすが、不登校の子どもを支援するためには必要な視点でもあります。
不登校の本当の解決は、自分の足で歩ける生き方を自分の力で見つけていくことです。
だからこそ、子どもとの距離が近すぎてしんどい、ストレスでメンタルが限界だという場合は、少し距離をとって冷静になってみることもお勧めです。
また、カウンセリングを活用することで、上手にメンタルをコントールして、子どもの支援をしていくことがとっても大切だと思います。
室長:田中勝悟
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