不登校・引きこもり専門カウンセラーの田中勝悟です。
今回はスクールカウンセラーの活用の仕方についてお話をさせていただきます。
スクールカウンセラーはどんな人?
そもそもスクールカウンセラーとはどんな人でしょうか?
スクールカウンセラーとは一言でいえば、小・中学校に配置されているカウンセラーのことです。
子どもの心理的な問題を専門的に見る人とのことで、週に1回学校に配置されて、心理業務を行います。
主に、児童・生徒・保護者のカウンセリング、ストレスアンケートの実施、職員へのコンサルテーション、研修会の実施などが業務となります。
私も過去に5年以上スクールカウンセラーの仕事をしてきました。
その中で、スクールカウンセラーの有効な活用の仕方について、お話をしてみたいと思います。
そもそもスクールカウンセラーは不登校の専門家ではない
そもそもスクールカウンセラーは不登校の専門家ではありません。
心の専門家ではあるのですが、スクールカウンセラーとはそもそも学校にいっている子どもの心の安定を目的として配置しています。
子どもの心理状態については詳しいのですが、不登校の改善や解決は専門ではない人もたくさんいます。
また、そのスクールカウンセラーが経験してきたキャリアによっては、得意分野もピンキリです。
例えば、病院で働いてきた人であれば精神科医療に関する知識が豊富ですし、児童相談所で働いた人であればケースワークや虐待対応が得意です。
教育相談に関わった人であれば、学校との連携が得意です。
また、残念なことに、経験が全くなく、カウンセリングも全くできないというスクールカウンセラーも当然います。
もちろん、不登校や引きこもり支援に強いスクールカウンセラーも当然いますが、逆に全く支援ができない人もいるのがスクールカウンセラー状態の実情なのです。
これは私も例外ではなく、最初は不登校の支援やカウンセリングがほとんどわからない状態で、スクールカウンセラーの仕事をスタートしました。
当然ですが、不登校の子どもや家族の支援の仕方、理解の仕方がほとんどわからず、自分で必死になって勉強し、知識を集め、個人セッションを受けて、なんとか不登校支援の基礎を固めた状態です。
スクールカウンセラーは不登校には役立たないの?
となると、不登校の相談をスクールカウンセラーにしても意味がないのではないかという意見も出てきますが、実際のところはそうではありません。
スクールカウンセラーにカウンセリングを受けるメリットはたくさんあります。
私は不登校親の会くろーばーの顧問心理士をしていますが、参加された方にスクールカウンセラーとの付き合い方についてお話をさせていただき、スクールカウンセラーを有効に活用する方法についてアドバイスをしました。
すると、それでお母さん自身が安定されて、子どもがどんどんと外に行けるようになった事例があります。
私もお母さんの心理状態が安定したことで、子どもと安定して関われるようになり、学校に行きだした事例をたくさん見てきました。
スクールカウンセラーを活用するメリットはたくさんあります。
例え、子どもとスクールカウンセラーが会えなかったとしても、定期的に親がカウンセリングを受けることで、親自身の心理状態が安定することで、良い方向に行く可能性がぐっと高まります。
スクールカウンセラーを活用する際の注意点について
ただ、スクールカウンセラーの活用の際は、いろいろと注意点が必要です。
今からこれらについてお話をさせていただきたいと思います。
1)スクールカウンセラーに相談すればすぐに解決すると思わないこと
スクールカウンセラーはカウンセリングの専門家です。
カウンセリングとは、心理状態を分析して、心の安定を図ることが目的で行われます。
不登校は一朝一夕で解決することはありません。
解決するというよりも、解決の糸口を見つけるためにカウンセリングを受けるというスタンスが必要かと思います。
2)子どもを理解するヒントを得るために活用する
不登校の解決で「このやり方をすれば必ず学校に行ける」という方法なんてありません。
子どものことをしっかりと理解し、その子に合った関わり方の中から、子どもと一緒により良い方法を考えて見つけていくというのが不登校解決の基本です。
スクールカウンセラーは不登校の解決法はわからないものの、子どもの心の理解の仕方については熟知しています。
そのなかでスクールカウンセラーと一緒に「自分の子どもがどんな子どもであるか」を考えて、子ども理解ののヒントを得るために活用するというスタンスでお会いすると非常にいいでしょう。
3)親自身の精神安定として活用する
カウンセリングを受けるというと、親自身も心が安定します。
人は心が不安定になると、適切に物事を判断できなくなる傾向があります。
だからこそ、カウンセリングを受けることで精神的な安定を図っていくことで、子どもの支援が効果的になる可能性があります。
そうしたケースはたくさん見てきました。
自分のことをしっかりと見てくれるという実感だけでも、人は強く前向きになれるものです。
だからこそ、カウンセリングを受けるということはそれだけで意味があると思います。
ただ、問題はスクールカウンセラー自身が忙しく、カウンセリングも月に1回も受けれないという人が多いということ。
その場合は、有料になりますが、民間のカウンセリングルームを利用されると良いと思います。
カウンセリングルームはぴっとではカフェカウンセリングやSkypeカウンセリングも行っていますので、どうぞご利用ください。
まとめ
スクールカウンセラーは不登校の専門家ではないにしても、上手に活用すれば、大きなメリットがあります。
今回は活用の仕方についてお話をさせていただきました。
もちろん、スクールカウンセラーに行っても意味がなかったという人もいると思います。
それは、カウンセラーとの相性が悪かったか、別のアプローチが必要だったか。
または活用の仕方が良くなかったか。
カウンセリングルームはぴっとでは、スクールカウンセラーのセカンドピニオンもしていますので、よろしければどうぞお越しください。
室長:田中勝悟
