不登校・引きこもり専門カウンセラーの田中勝悟です。
今回は夫婦関係と不登校の関係についてお話をしたいと思います。
夫婦の不仲が原因で不登校になるケースはある?
結論から言えば、夫婦の不仲が不登校の原因になることはほとんどありません。
確かに夫婦仲が原因で不登校になったケースはありますが、夫婦仲が安定すると学校に行きだすケースがほとんどです。
極端な話、離婚や別居した瞬間に学校に行きだしたケースもあるくらいです。
もう少し言えば、夫婦仲が良好でも不登校になるケースもたくさんあります。
ただ、不登校の予防として、夫婦仲が良いに越したことはないのは確かでし、夫婦の不仲から学校に行けなくなったケースもあるので、今回はそのことについてお話をしていきたいと思います。
夫婦が不仲になるとなぜ学校に行けなくなるのか?
夫婦の不仲が直接の原因ではないといえ、それがきっかけで不登校になる子どもはもちろんいます。
夫婦の不仲はそもそも不登校のきっかけであり、直接の原因ではありません。
↑きわめて大切な視点です。
ただ、家庭環境と不登校の関係についてはある程度お話ができると思います。
不登校の子どもは非常に繊細で生きる強さにかけています。
繊細な人はちょっとしたことでも荒波のように感じてしまいます。
そして、生きる強さが欠けていると、ちょっとしたことでぐらいついてしまい、しっかりと立って進むことが難しくなります。
泳ごうと思っても、すぐに疲れてしまい、泳ぐことができません。
夫婦が不仲になると、家庭環境がぐちゃぐちゃになります。
例えるなら、家庭の中が荒波の状態になってしまいます。
普通の子なら、上手に泳いぐか、安全なところや自分を支えてくれるところ探してそこに行くことができるでしょうし、強い子ならその中でも上手に泳ぎ切ることができることでしょう。
荒波を気にしないかもしれません。
私も過去に両親がかなり険悪な関係になりましたが、それでも気にせず学校に行っていました。
しかし、不登校気質を持つ子どもは、そうはいきません。
夫婦仲が悪くなり、家庭環境がぐちゃぐちゃになると、自分を見失い、溺れそうになります。
その中で、どうしようもなくなってしまい、家の中にしがみついてしまいます。
どうしていいかわからないから、家の中にしがみついて崩れそうになる自分を守ろうとするために不登校になってしますのです。
不登校には家族を守るという目的がある
先ほどのメカニズムは不登校本人の心理状態について書かせていただきましたが、家族療法の視点からは次のようなことが言えます。
それは不登校になることで、家族を守ろうとする心理的な働きです。
もちろん、この辺りについて子どもは自覚していません。
ただ、怖くて不安だから学校にいけないというだけです。
しかし、不登校の子どもはかなり繊細で、人の気持ちも敏感に察知する傾向があります。
また、夫婦仲が悪くて不登校になった場合、その子自身は非常に親思い、家族思いだった傾向があります。
だからこそ、もう少し視点を広げると、その子は「お父さんとお母さんが喧嘩しないで済むのなら、僕が悪者になる」と不登校を選択し、学校に行けなくなるのです。
もちろん、このメカニズムは子ども自身、自覚はしていません。
無意識的にそういう心理が働き、不登校になります。
ただ、こういう心理メカニズムが不登校の背景にあることを頭の片隅に入れておくといいでしょう。
夫婦仲の改善は不登校解決のカギ
夫婦仲の改善は不登校解決のカギです。
上記のメカニズムから不登校になるのですが、不登校が長期化すれば、夫婦中がよくなったくらいでは、学校に行きだすのは難しくなります。
不登校は長期化すればするほど、復帰が困難になるのです。
子どもが何かしらの不調を訴えだしたら、夫婦関係に問題があるのではと思ってみることも大切です。
そこで夫婦仲が悪いことがきっかけだとすれば、まずは夫婦で話し合ったり、夫婦関係をよくするためにできることを考えてみましょう。
もし難しければ、カウンセリングを受けるという手もあります。
カウンセリングを受けることで、夫婦仲が改善し、子どももよくなったというケースもたくさんあります。
不登校は夫婦で一緒に考えていくこと。
これが不登校・引きこもり解決の一番のカギでもあるのです。
室長:田中勝悟
