不登校・引きこもり専門カウンセラーの田中勝悟です。
今回は担任の先生が原因で不登校になった場合、最初にできることについてお話をしたいと思います。
担任が嫌で不登校になる子は多い?少ない?
そもそも担任の先生が嫌いという子どもは小学校5年生くらいから徐々に出てきます。
特に女の子は多いですね。
先生のちょっとした言動が癪に触ってしまい、「もうあの人、嫌だ。見たくもない」と思ってしまう子も実際にはいます。
しかし、実のところ、担任の先生が嫌で不登校になる子は割合としてはかなり少ないと思います。
正式なデータはありませんが、多くの不登校のカウンセリングをしてきて、「担任の先生が嫌だから不登校になった」「先生が生理的に受け付けないから不登校になった」と「先生が嫌だから学校に行かない」と訴える子どもにはあまり会ったことがありません。
いや、もしかするといるのかもしれませんが、私はほとんど会ったことがないというだけです。
担任の対応がまずくて不登校になる子どもは多い
ただ、担任対応がまずいために不登校になる子どもは少なからずいます。
例えば、授業中にふざけている子供がいて、その子を大声で怒ってしまって、別の子がそれを見たとしてます。
その先生の大声がとても怖く感じてしまい、次の日から学校に行けなくなったというケース。
先生に怒られたことがショックでそこから不登校になったケース。
やってもいないのに、「お前がやった」と言われてしまい、ショックで部屋から出られなくなったケース。
中には「この子は頑張ったからみんなの前で褒めた」ということが嫌で不登校になったケースもあります。
子どもとしては大きく傷ついてしまった経験かもしれません。
担任の対応によって不登校になってしまう子どもは少なからずいます。
単純に先生が嫌いだから・・・というよりも、先生の対応に傷ついて不登校になったという方が割合といしては多いのではないかと臨床経験から感じます。
この場合、親としては学校側に「担任のせいで不登校になった!どうしてくれるんだ!?」と思ってしまいたくなるのもです。
担任の先生が原因で不登校になった場合、してはいけない3つのこと
こうした場合、してはいけないことをお話したいと思います。
それは以下の3つです。
一つ一つ説明していきたいと思います。
1) 子どもの訴えを鵜呑みにしないこと
まずは子どもの訴えをそのまま鵜呑みにしないことです。
そもそも思春期の子供は感情的・主観的に見てしまいやすいため、子どもの訴えをそのまま信じてしまうと、「え?そういうことだったの?」と後になって、八方ふさがりの状況に追い詰められてしまうということもあります。
お母さん・お父さん自身が「学校の先生にこんなことをされた」と言われ、「なんて先生なんだ。子どもを傷つけることをして、絶対に許さない」と思ったまま行動すると、後になって子どもが授業中にふざけて先生がそれを見かねて怒っただけという事実がわかることもあります。
また、学校の先生の対応で不登校になったというのは半分正解で半分間違いです。
学校の先生の対応は不登校の原因ではありません。
まず考えてほしいことは、その子以外の子どもは不登校にならずに学校に行き続けているという事実です。
その先生の対応が本当にまずいものであれば、他の子も不登校になっていないといけないという理屈になります。
学校に先生の対応というのは不登校の原因ではなく、単なるきっかけでしかありません。
2) 親が感情的にならないこと
これも大事なことですが、親自身が感情的にならないということも大切です。
親自身が感情的になると、子ども自身が逆に困ってしまいます。
例えば、親が子どもの訴えをそのまま鵜呑みにして、学校に文句を言いに行ったとします。
これは実は、子どもとしては逆に学校に余計に行きにくい状況を作ってしまうことになります。
「お母さんが学校に文句に行ってしまって、明日から先生や友達にどう思われるかわからない」
そういう心理が働きます。
親が動けば動くほど、子どもはより動けなくなってしまう。
そうした心理メカニズムが親子関係にはあるのです。
感情のままに行動するのはやめましょう。
まずは深呼吸して、問題を整理して、そこから行動するのです。
一度、スクールカウンセラーにお話を聴いてみるのも手です。
気持ちがすっきりして、余裕を持って状況を考え直すことができるようになります。
3)学校に直接クレームを入れないこと
これも大切ですね。
不登校解決の一番の柱は何と言っても学校です。
学校の先生と上手に付き合うことが大切です。
なのでクレームを入れて、「ここの親はめんどくさい人、ややこしい人だ」という印象を与えないようにする必要があります。
もちろん、学校の先生の対応があまりにもひどいケースもあります。
私も「この先生じゃ不登校の解決は無理だ」と思わざるを得ない先生にあったことがあります。
その場合は、別の先生に相談をするという手もあります。
例えば、養護教諭の先生とか、不登校担当の先生とか、特別支援コーディネーターの先生とか、いろんな窓口があります。
普段からいろんな先生と接点を持ち、子どもの協力者をどんどんと作れること。
学校に文句を言いたい時も、極力我慢してください。
それよりも良い関係を作る方向に考えていくことが大切なのです。
まとめ
今回は学校の先生が嫌いという場合に、最初にしてはいけない3つのことについてお話しました。
正直なところ、先生が嫌というよりも、先生の対応の仕方が子どもと合わなかったというのが多いのかなと思います。
不登校解決のためには、親が感情的に動かない。
これに尽きます。
学校と良い関係を築くことで、子どもをしっかりと支えてくれるような、そういう土台をしっかりと作ることが大切かと思います。
室長:田中勝悟
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