不登校・引きこもり専門カウンセラーの田中勝悟です。
不登校から引きこもりの割合は多い
不登校から引きこもりになる割合は非常に多いです。
以前、受けていた引きこもりの相談の多くは、中学校から不登校だったというものが大半を占めていました。
不登校になると、ずっと家にいる状態が続きます。
実はこの状態こそが引きこもりにつながる大きな原因なのです。
家にずっといる状態はマイナスでしかない
不登校になると、多くの子どもはずっと家にいる状態が続きます。
この状態はマイナスの状態です。
私たち人間は、多かれ少なかれ外からの刺激を受け取って生活をしています。
その刺激が、自身の耐性を超えたとき、それをストレスと呼びます。
ストレス自体は良いも悪いもありません。
むしろ適度なストレスは私たちの心の成長にとって欠かせないものです。
ただ、ストレスが過度になると心身を壊してしまい、うつ状態や心身症などのストレス反応を生みます。
強いストレスにさらされた時は、適度に休むことが大切です。
しかし、全くストレスがない状態というのは心の成長ができません。
学校に行かず、家にずっといる状態というのは、実はかなりマイナスな状態なのです。
不登校の子どもはストレスに弱い子どもが多い
そして感受性が人一倍高い不登校の子どもはストレスにもめっぽう弱いです。
また、ストレスに耐えるだけの強さを持っていないのも特徴です。
そのため、普通の人なら耐えられること、例えば友達からのからかいの言動に対しても深く傷ついてしまい、学校に行けないほど心理的にもダメージを受けてしまいます。
不登校の子どもが学校に行けないという場合、頭の片隅においてほしい視点は、「これ以上ストレスにさらされることで自分を壊さないようにするため」の心の防衛だということです。
家にずっといることで、これ以上自分が壊れないように必死に頑張っている姿。
それが不登校や引きこもっている子供の心理状態でもあります。
ストレスゼロの状態は引きこもりの継続につながる
しかし、ストレスゼロの状態が続くのは、メンタル的にもよくありません。
感覚遮断実験という有名な心理学の実験があります。
これは人を刺激が全くない状態に置いた時にどんな反応を示すかという実験ですが、この実験の結果、驚くべき事実が明らかになります。
それは48時間前後で、精神が壊れてくるという結果です。
人は適度なストレスがないと生きていけません。
家にずっといる状態が続くと、心が次第に病んできます。
重度の引きこもりで人と関わることができなかった人は、コンビニのレジの会話ですらもできない状態になります。
また、自信も低下し、うつ症状や不安症状など、何らかの精神疾患に類似した症状を出します。
不登校でずっと家にいた子どもは、そのまま精神状態が悪化し、引きこもりとなってしまいます。
これが、不登校の子どもが引きこもりになる割合が高くなる原因でもあります。
まずは少しでも外界と関わることが大切
まずは、少しでもいいから外界と関わることが大切です。
これには専門家の支援もいりますし、親の支援ももちろん大切です。
引きこもっていた子どもが、その状態を改善するためには、少しずつでもいいから外に出て人と関わる経験を重ねること。
もちろん、何気ない一言で傷つくこともありますし、「もうだめだ」と自分が嫌になるときもあります。
それでもゆっくり休んでから、また外に出て人と関わる経験を積んでいくことです。
もし、あなたのお子さんが少しでも人と関わろうと努力をしているのなら、その頑張りを見守ってください。
焦る必要はありません。
その子なりのペースでゆっくりと成長していきます。
その過程を見守り、いつも通りに言葉かけをすること。
子どもが少しでもホッとすることができれば、必ず前に進むことができます。
室長:田中勝悟
