不登校・引きこもり改善カウンセラーの田中勝悟です。
学校に無理やり連れて行っても効果はさほどない
子どもが学校に行かなくなった場合、最初にどんな対応を取りますか?
恐らく、一番最初に取る対応が、無理やり学校に連れていくということではないでしょうか?
例えば、無理やり布団から叩き起こして、「早くしなさい」と怒って、服を着替えさせ、車に乗せて学校に連れていく。
最初の内は、非常に効果があった場合も多いと思います。
しかし、学校についたその子はそこから逃げ出したり、泣き出したり、逆に起こり出したりして、収拾がつかなくなるような事態になるケースも当然ながらあります。
また、学校ではおとなしく過ごしており、周りも「やっぱりわがままだったんだ」と思うかもしれませんが、次の日はトイレに閉じこもったり、部屋の鍵を何重にもしたりして、余計に手がつけられなくなったなんてケースもあります。
後は学校から帰ってきたら、ずっと泣き続けたり、家の中のものを壊したりするなんて話もよく聞かれます。
そもそも、小さい子どもならともかく、中学生くらいになると、無理やり連れていくなんて至難の業です。
不登校の子どもを無理やり学校に連れて行っても効果があるのは1割あるかないかというのが正直な印象です。
不登校支援は年々変わってきている。
このような無理やり学校に行かせるやり方というのは、10年前の学校現場ではよく使われていた手法でした。
特に不登校が社会問題化してきた辺りくらいまでは、親や教師が協力して無理やり学校に連れていくという方法が普通に行われていたわけです。
しかし、この方法はほとんど意味がないという認識に変わってきています。
「北風と太陽」の話でありませんが、北風をどんどん送ったところで、不登校の衣を脱ぐということは至難の業なのです。
では、どうするかというと、無理やり連れていく方法が難しいとしたら、それからは「そっとしておく」「充電期間だから、あまり無理をさせないように」という支援の仕方が主流になってきました。
専門的に言えば「登校刺激を与えない」という支援です。
しかし、その結果、不登校が改善できたケースはあまりなく、かえって不登校から引きこもりへと悪化するという悪循環を生みだすことになりました。
最新の不登校支援の方法とは?
上記の方法をずっと取り続けてきたからと言って、専門家や学校の先生を責めないでくださいね。
また、お母さん、お父さんも自分自身を責めないでください。
これらは不登校の原因や効果的な改善策が全くわからなかったためです。
発達障害に関しても、それらのノウハウが世間に出てくるまでは、怒る・褒める以外のやり方がわからず、その結果子ども自身を苦しめ続ける結果となりました。
しかし、今は発達障害のノウハウが理解できるようになったので、子ども達に合った質の良い教育ができるようになってきています。
それと同じことで、不登校の原因とそれに基づいた改善策をしっかりと理解するようになれば、自ずとその子に合った支援や関わり方ができるようになります。
それは不登校の原因に基づいて子どもを理解すること。
不登校の原因とは
1) 子ども自身が持っている繊細さ・独特の感性
2) 思春期になってきて自分らしさが表れてくる
3) しかし、自分らしさと上手に向き合うための強さが足りないこと
これらをしっかりと理解して、子どものことを理解できるようになれば、自ずとその子に合った支援が見えてくるようになります。
今の不登校支援は
〇 学校に行かなくなった場合は3日以内に家庭訪問を行うこと
〇 子どもの様子を見ながら、適切なタイミングで登校刺激を行うこと
といったように変化してきています。
不登校支援専門の教員も配置するようになってきました。
しかし、その背景として、不登校になった原因をしっかりと理解することが極めて重要です。
理解なき支援は単なる暴力です。
子どもは余計に殻に引きこもってしまいます。
逆に支援なき理解は無力です。
何も進展しません。
しっかりと理解し、その上で適切な支援をしていくことがとても大切なのです。
まとめ
今回は子どもを学校に無理やり連れて行っても意味がないこと、理解の上での支援がとても大切であることをお伝えしました。
ただ、一人ではなかなか難しい場合もあります。
そうした時は、専門家に相談するというのも一つの手だと思います。
室長:田中勝悟
