【第九話】
前回までのあらすじ
突然発生した霧によって散り散りになるミンシアとネルセン。
近衛兵を軽くあしらったヴァイト。
ふいに襲い掛かってきた双剣の男を上手く巻いたヴァイトであったが・・・
「ネルセン? ネルセン? もう! 本当にどこに行ったんだか」
ミンシアが肩をすくめてみせるが、その肩は少し不安げに震えている。
「!? @¥*+?!」
突然口をふさがれ、パニくるミンシア。
「しっ! 私よ、私」
「え? ヒューラ?」
「どこに行ったかと思えば、近衛兵団に追われてるし、何か知らない奴らと一緒だし、一体今まで何してたのよ」
「えッとね、それを話すには長い長―い時間が・・・」
「霧が晴れる前に姿を消すわよ」
「え? この霧って」
「私が魔法で出したの。だから、消える前に早く!」
「さすがヒューラ!」
「あんたは何ともお気楽ね」
「でもその前にみんなと合流しなきゃ」
「みんな? さっきの男のこと?」
「そう」
「あんなひ弱そうな男・・・役に立つの?」
「まあ・・・いないよりはマシでしょ」
そう言って、はにかんだ笑顔を見せるミンシア。
「ハックシュン! なんだ? この霧で体が冷えたか? てか、ミンシアどこ行ったんだよ?」
きょろきょろと辺りを見回しながら、ネルセンが彷徨い歩く。
「それでも私の命を守ってくれた。何も言わずにここに置いていく・・・なんてできないよ」
「何? 惚れたの?」
「そっ、そんな訳ないでしょ! あんなひょろ河童!」
「信用、できるの?」
「悪い人じゃないよ」
「まあ、いいわ。その迷子ちゃんでも拾って、ここから早く離れないと」
ヒューラはそう言うとスタスタと歩きはじめた。
「え? どこにいるかわかるの?」
力強い足取りに思わずミンシアが問いかける。ヒューラは少し考えるようなしぐさをしてから、おもむろに口を開いた。
「そんなのわかるわけないでしょ」
「何それ。ちょっと期待しちゃったじゃない」
「ま、そんなに遠くに行っているわけでもないだろうしこの辺を探せばバッタリ・・・」
「そんな都合よくいくかな?」
「うわぁああ!」
ヒューラが声のした方向に意識を集中する。
「ネルセンの声?」
ミンシアは言葉と共にすでに声がした方へ駆け出していた。ヒューラがすぐに駆けよってくる。
「気を付けて、不穏な気配がする」
駆けつけた二人の目の前に広がったのは・・・
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