【第25話】
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前回のあらすじ
ミンシアを連れて男と交渉しようとした獣人族は、男の手によって惨殺される。囚われながらもマーラと再会できたミンシアだったが、男はマーラを手に掛けようとする。その時マーラを守ったのは母の形見の髪飾りだった。何とか間に合ったヴァイト達と、ヒューラの魔法により男は炎の渦の中に。二人を助け出したヴァイト達が里に戻る。
「この辺までくれば大丈夫か?」
ヴァイトがミンシアとマーラを縛る縄をほどくため立ち止まって、ゆっくりと二人を地面に下した。普通にほどこうとしたが、固く結ばれててほどけそうになかった。
「ああ、もう!」
苛立った声を上げてネルセンが剣でぶちっと縄を切る。縄から解放されて二人は軽く伸びをした。
「ゆっくりしている暇はない。安全を考えてすぐ里へ向かうぞ。」
そう言って衰弱したマーラを抱えるヴァイトの目には、信じられない光景が写ってきた!
ミンシアの後ろの影からぬっと姿を現した双剣の男が、ミンシアの口元に布を押し付けてミンシアを気絶させていたのだ。
「お前は、炎に焼かれたはずじゃ!」
ネルセンは自分の目を疑うかのように叫んだ。
「あの消し炭は僕の変わり身の丸太だよ。よく燃えていたねぇ。」
そう言って男はケタケタと笑った。そして、急に表情を消して。
「ミンシアはいただいていく。」
と言ってその姿を消した。
「ミンシア!」
ヒューラの呼び声にミンシアが応えることはなかった。すぐに辺りを探したが、ミンシアとあの男を見つけることはできなかった。それぞれに複雑な気持ちを抱えつつ、無事にマーラを取り戻しはしたものの、ミンシアを奪われるという失意の中、里へと戻ることしか残された道はなかった。何も知らずに途中で出会ったエリオスに一部始終を話し、マーラの無事を聞いて喜びを見せるが、ミンシアの事を聞いて何もできなかった自分に怒りを抑えきれないようであった。とりあえずエリオスたちも連れて里へと引き返すことにした。
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